【結論】相続未登記のままでは“そのまま売却はほぼ不可能”登記と相続整理を同時に進めれば売却は十分可能
相続未登記(名義が亡くなった人のまま)の不動産でも、
「きちんと相続手続きを踏めば」売却することは可能です。
ただし、
- 名義が亡くなった方のまま
- 相続人の数や範囲があいまい
- 誰が売却の窓口か決まっていない
といった状態のままでは、
- 不動産会社も買主も契約に応じられない
- 売却の話が出た瞬間に、相続トラブルが表面化する
- 時間が経つほど相続人が増え、整理が“雪だるま式”に難しくなる
というリスクが高くなります。
逆にいえば、
- 相続人と持分を確定させる
- 相続登記を済ませる(または売却と同時進行で進める)
- 売却・リフォーム・活用の方針を数字で比較する
という流れさえ押さえれば、
相続未登記物件でも「きちんとした値段」で売却することは十分可能です。
以下では、
- 相続未登記のまま放置すると何が起こるのか
- 売却までの正しいステップ
- リフォーム会社(ホームワーク株式会社)の現場での実例
をわかりやすく解説します。
相続未登記物件はなぜ「そのまま売れない」のか
売買契約の相手は「現在の所有者」だから
不動産の売買契約は、法的には
- 「現在の所有者」=「登記上の権利者」
- または、その地位を引き継いだ相続人全員
が、売主として署名・押印する必要があります。
相続未登記のままだと、
- 登記上は亡くなった人の名義のまま
- 「現在の所有者」が誰なのか、書面上は不明
という状態です。
このままでは、
- 買主が「きちんとした権利」を取得できるか確信が持てない
- 不動産会社も、売主の権限があいまいな取引を扱えない
ため、通常の売却は事実上できません。
「相続人全員が売買契約に参加」も現実的ではない
相続登記をしていなくても、
- 全相続人を特定して
- 全員を売買契約の当事者にして
- 売却と同時に相続登記を済ませる
という“同時進行”方式も理屈上は可能です。
しかし現実には、
- 相続人の一部と連絡が取れない
- 相続に納得していない人がいる
- そもそも全員の顔ぶれが把握できていない
といった事情から、「全員参加」の売却は難航しがちです。
相続未登記のまま放置したときの主なリスク
1. 売りたいときに売れない・条件が悪くなる
- 親の介護費や施設入居資金に充てたい
- 自宅購入の頭金にしたい
- 空き家になって近隣から苦情が出ている
といった「今すぐ売りたい」タイミングで、
相続登記が済んでいないことが発覚すると、
- まずは相続人の調査から
- 遺産分割協議
- 必要書類の収集
- 相続登記の申請
と、売却の前にやることが山積みです。
この間に、
- 建物の劣化が進み、査定額が下がる
- 不動産市況が悪化して相場が下がる
- 急ぐあまり、安い買取に応じてしまう
といった“不利な売却条件”になりやすくなります。
2. 相続人が増え、意思決定がほぼ不可能になる
相続登記をしないまま長年放置すると、
- 兄弟姉妹の一部が亡くなる
- その配偶者・子どもにも権利が発生
- いとこ・はとこ世代にまで権利が広がる
→ 「相続人が2桁・3桁」という状態も珍しくありません。
ここまでいくと、
- 誰がどれだけの持分を持っているか整理するだけで大仕事
- 1人でも反対すれば売却が進まない
- 弁護士・裁判所を交えても、何年もかかることがある
という「所有者不明土地」状態に近づいてしまいます。
3. 建物の老朽化・空き家化リスク
未登記=誰も住んでいない、というわけではありませんが、
- 名義が古いまま
- 誰が責任を持って管理するか決まっていない
物件ほど、
- 雨漏り・シロアリ・配管トラブルへの対応が後回し
- 草木・ゴミ・防犯の管理も曖昧
- 結果として空き家化・老朽化が進む
というケースが多くなります。
老朽化が進むほど、
- 「土地値−解体費」しか評価されない
- 近隣からの苦情・行政からの指導リスクも高まる
など、売却条件はどんどん悪化していきます。
4. 2024年以降は「義務違反」リスクも加わる
2024年4月から、
- 相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に
- 相続登記をすることが法律上の義務
となりました(相続登記の義務化)。
正当な理由なく放置した場合は、
- 10万円以下の過料(行政罰)を科される可能性
もあり、
- 「相続登記はしなくてもいい」という時代ではなくなった
と言えます。
相続未登記物件を売却するための正しいステップ
ここからは、「売却」をゴールにした場合の典型的な進め方です。
ステップ① 相続人と相続関係の整理
まず最初に行うのは、
- 誰が相続人なのか
- それぞれがどれだけの権利を持ちうるのか
を確定させることです。
【主な作業】
- 亡くなった方(被相続人)の戸籍を「出生から死亡まで」取得
- 相続人(配偶者・子・兄弟姉妹など)の戸籍を確認
- 相続関係説明図(家系図のようなもの)を作成
ここで、
- 認知した子
- 前婚の子
- 養子
などが判明することもあり、
「思っていたより相続人が多い」というケースも珍しくありません。
ステップ② 遺産分割協議で「誰が売主になるか」を決める
相続人が確定したら、次は
- 不動産を誰の名義にするか
- 売却後の代金をどう分けるか
を相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決めます。
代表的なパターンは次の通りです。
- Aさんが不動産を単独相続し、売却代金も原則Aさんに
- 相続人全員で共有名義にし、売却後に代金を法定相続分どおり分配
- 誰か1人が相続する代わりに、他の相続人に現金で清算(代償分割)
この内容をまとめたのが「遺産分割協議書」です。
売却の前に、この書面がとても重要な役割を果たします。
ステップ③ 相続登記を行う(または売却と同時進行)
遺産分割の内容が決まったら、
- 法務局に「相続登記」を申請し、
- 不動産の名義を相続人(または代表者)に変更
します。
【ポイント】
- 実務上は、「買主が見つかりそうな段階」と「相続登記」を同時並行させることもあります。
- ただし、相続関係が複雑な場合は、登記完了まで時間がかかるため、早めに着手する方が安全です。
ステップ④ 査定・売却方法の検討
名義(または名義変更の見通し)が立ったら、
- 不動産会社による価格査定
- リフォームの要否と概算費用(ホームワーク株式会社のようなリフォーム会社が担当)
- 「そのまま売る」「リフォームして売る」「買取を検討する」などの売却方法
を比較検討します。
【この段階で決めること】
- 売出価格の目安
- 売却にかけられる期間(いつまでに売りたいか)
- リフォーム・片付け・解体の範囲
「登記→査定→売却」という順番ではなく、
「登記の見通し」と「売却戦略」をセットで考えるのがコツです。
ステップ⑤ 売買契約・決済
買主が見つかったら、
- 相続登記が完了していることを確認したうえで
- 売買契約 → 決済・引渡し
へと進みます。
【注意点】
- 決済日までに名義変更が間に合うよう、司法書士・不動産会社と綿密にスケジュール調整する
- 売却代金の分配方法(相続人間での取り決め)を事前に明確にしておく
登記・売却・相続人間の分配を一気にゴールさせる「山場」です。
ケーススタディ:相続未登記物件を売却した具体例
※プライバシー保護のため、一部内容を加工しています。
事例①:祖父名義のまま30年放置された実家(首都圏郊外)
- 状況
- 祖父名義の戸建て
- 祖父→父→相談者と、二世代続けて相続登記をしていない
- 建物老朽化で雨漏り、近隣からも心配の声
【対応】
- 司法書士と連携し、祖父の相続・父の相続の両方を整理
- 相続人が全国に散らばっていたが、「売却で合意」できるよう説明
- 最低限の補修+外回りの美観回復だけ行い、解体はせずに売却活動
- ホームワーク株式会社の協力不動産会社を通じて買主を募集
【結果】
- 土地値+古家付として、相場に近い価格で成約
- 相続人一人あたり、数十万〜百数十万円の現金を確保
- 30年放置されていた未登記問題を、売却を機に一気に解消
事例②:相続人多数で話がまとまらなかった空き家(地方都市)
- 状況
- 母親名義の戸建て
- 兄弟4人に加え、亡くなった兄の配偶者・子どもも相続人
- 空き家になって5年以上放置、傷みが進行
【対応】
- 相続関係を可視化(家系図・持分の一覧)
- 「現状売却」「最低限リフォーム+売却」「解体+更地売却」でシミュレーション
- コストと手取り額を比較し、「現状売却+簡易補修」がベストと判明
- 相続登記と並行して買主を探し、登記完了後すぐ決済
【結果】
- 相続人全員が納得できる形で現金化
- 空き家問題・未登記問題を同時に解消
- 将来世代への“負の遺産”を残さずに済んだ
「売却より先にやるべきこと」は何か
相続未登記物件の場合、
つい「まずいくらで売れるか?」が気になりがちですが、
本当に先にやるべきことは次の3つです。
- 相続人・名義・登記状況の確認(司法書士と連携)
- 建物の現状と必要なリフォーム範囲の把握(リフォーム会社の調査)
- 売却・賃貸・自分で使う・国庫帰属など「出口」の候補整理
この3つを押さえたうえで、
- 売る前提で登記をするのか
- しばらく貸してから売るのか
- いったん自分名義にしてから、将来の選択肢を考えるのか
を決めていくと、
「感情論」ではなく「数字と現実」に基づいた判断がしやすくなります。
専門家コメント(ホームワーク株式会社)
ホームワーク株式会社
(相続不動産・空き家・老朽化物件の再生を多数手がけるリフォーム会社)
「相続未登記の物件については、
ご相談の入口でよくこう言われます。
『登記してないけれど、売れますか?』
『名義が祖父のままなんですが、なんとかなりますか?』
答えは、
“きちんと手順を踏めば、売却は十分可能です”。
ただし、
- 相続人の数が増える前
- 建物の傷みがひどくなる前
- 不動産市況が大きく変わる前
に動けるかどうかで、
取れる選択肢と最終的な手取り額は大きく変わります。
私たちリフォーム会社の役割は、
- 建物の状態をプロの目でチェックすること
- どこまで直せば、どのくらい価格や賃料に反映されるかを示すこと
- 司法書士・不動産会社とチームを組み、
“相続登記→リフォーム→売却”までの道筋を一緒に描くこと
だと考えています。
『名義が古くてよく分からないから、売却は無理だろう』と
ご自身で決めつけてしまう前に、
まずは現状整理だけでもご相談いただければ、
売る・貸す・残すを含めた“正しい選択肢”をご提案できるはずです。」
よくある質問(FAQ)
Q1. 相続登記をしていなくても、すぐに売却活動は始められますか?
A. 相続登記が完了していなくても、
「相続人が誰か分かっていて」「全員の売却合意が取れている」場合、
登記と並行して査定・買主探しを進めることは可能です。
ただし、契約・決済までには相続登記を完了させるのが基本です。
Q2. 相続人の一人が行方不明です。売却はあきらめるしかありませんか?
A. あきらめる必要はありませんが、手続きは複雑になります。
家庭裁判所で「不在者財産管理人」を選任し、
その人を通じて売却を進める方法などがあります。
弁護士・司法書士と連携して進めるのが現実的です。
Q3. 兄弟の一人が売却に反対しています。相続登記もしていません。どうすれば?
A. 相続財産については、原則として相続人全員の合意が必要です。
話し合いで解決できない場合は、
家庭裁判所での「遺産分割調停」を利用することも検討されます。
その前に、不動産の価値や売却後の分配案を“数字”で示すことで、
合意に近づくケースも少なくありません。
Q4. 登記費用や専門家費用はどれくらいかかりますか?
A. 不動産の数・相続人の数・相続関係の複雑さによって変わります。
登記の登録免許税は「固定資産評価額×0.4%」が目安で、
司法書士報酬は十数万円〜数十万円程度になることが多いです。
売却を前提とする場合、売却代金から差し引いて精算する形をとることもあります。
Q5. 相続登記を先にするべきか、売却の相談を先にするべきか迷っています。
A. 並行して進めるのがベストです。
- 司法書士:相続人と登記の整理
- リフォーム会社:建物の状態とリフォームの要否
- 不動産会社:売却価格の査定
を同時に進めることで、「登記する意味」や「手取り額のイメージ」がはっきりし、決断しやすくなります。
Q6. 古くてボロボロの家でも、未登記を解消してから売る価値はありますか?
A. 立地・土地の大きさ・周辺相場によっては、
「古家付き土地」として十分な価値がつくことがあります。
解体や大規模リフォームをしなくても、
最低限の片付けや補修だけで売れるケースもあるため、
まずは査定と建物チェックをしてから判断するのがおすすめです。
Q7. 国庫帰属制度(いらない土地を国に返す制度)を使いたい場合も、相続登記は必要ですか?
A. 原則として、相続により土地を取得した人が申請するため、
相続関係の整理・名義の問題は避けて通れません。
「売却」と「国庫帰属」のどちらが適切かも含めて、
早い段階で専門家に相談することをおすすめします。
Q8. まず何を準備して相談に行けばいいですか?
A. 以下の3点が分かれば、初回相談には十分です。
- 不動産の所在地(市区町村とだいたいの住所)
- 現在の登記名義人の氏名(亡くなっているかどうか)
- 相続人として思い当たる家族構成(配偶者・子・兄弟姉妹など)
この情報をもとに、
ホームワーク株式会社や提携する司法書士・不動産会社と一緒に、
- 相続未登記のリスク
- 売却までの現実的なステップ
- リフォーム・解体を含めた費用と手取りのシミュレーション
を整理していくことができます。
「名義が古くてよく分からない」という段階こそ、
もっとも相談の価値が高いタイミングです。
千代田区で不動産売却をご検討の方へ
不動産売却は、
流れを理解したうえで進めることで
不安と失敗を大きく減らせます。
ホームワークでは、
千代田区の不動産売却について、
準備段階から引き渡しまで
一貫してサポートしています。【お問い合わせ窓口】
ホームワーク株式会社
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