不動産売却でよくあるトラブルとは?事前に知って防ぐためのポイント

ポイント

【結論】不動産売却のトラブルは「お金・契約条件・説明不足」が原因|よくあるパターンを知り、契約前の確認と“第三者の目”を入れれば多くは防げる

不動産売却の相談現場で多いのは、

  • 売却価格や手残り額が「思っていたのと違う」
  • 契約条件(引き渡し、残置物、瑕疵など)で揉める
  • 「聞いていない」「そんなつもりではなかった」という説明不足

から生まれるトラブルです。

事前に

  • よくあるトラブルのパターンを知る
  • 契約前にチェックすべきポイントを押さえる
  • 不安なところは“その場で質問+書面で確認”を徹底する

ことで、深刻なトラブルの大半は避けることができます。


目次

不動産売却でよくあるトラブルのパターン

1. 「金額」関連のトラブル

① 査定額と実際の成約価格が大きく違う

よくある流れ

  • 最初に高い査定額を提示されて期待する
  • 売り出してみると反響が薄く、「値下げしましょう」を繰り返す
  • 結果として「他社ならもっと高く売れたのでは」と不満が残る

背景

  • “専任を取りたい”ために、あえて高めの査定を出す会社もある
  • 「査定額=必ず売れる額」ではないのに、その説明が不十分

② 手残り額(ローン返済後の残り)が想定より少ない

よくあるケース

  • 売却代金から
    • 住宅ローン残債
    • 仲介手数料
    • 登記費用・司法書士報酬
    • 抵当権抹消費用
    • 残置物処分・解体費用
      などを引いた結果、
      「思ったよりも手元に残らなかった」

背景

  • 「売却価格」だけ見て話を進めてしまい、
    諸費用を含めた“手取り額”の説明・試算が不足している

2. 「契約条件」関連のトラブル

③ 残置物(荷物)の撤去範囲を巡るトラブル

  • 売主は「このくらいは残していいだろう」と判断
  • 買主は「完全に空にして渡してもらえると思っていた」
  • 引き渡し時に「話が違う」と揉める

特に、

  • 家具・家電・カーテン・物置
  • ベランダの荷物・庭の廃材・タイヤや危険物

が争点になりやすいです。


④ 雨漏り・シロアリ・設備不良などの“瑕疵(かし)”を巡るトラブル

  • 売却後に
    • 雨漏り
    • 給排水管の不具合
    • 白アリ被害
      などが発覚
  • 「売主は知っていたのに隠していたのでは」と買主が主張
  • 「瑕疵担保(契約不適合責任)」の範囲・期間を巡ってもめる

⑤ 引き渡し時期・明け渡し条件のすれ違い

  • 売主は「新居が決まるまで少し猶予があると思っていた」
  • 買主は「決済後すぐに引き渡してもらえると思っていた」

細かいところでは、

  • 鍵の引き渡しタイミング
  • クリーニングの要否
  • 引き渡し前の立ち入り可否(リフォーム業者の下見など)

で認識がズレていると、決済直前にトラブルになりがちです。


3. 「説明不足・書面不足」から生まれるトラブル

⑥ 重要事項の説明不足(再建築不可・借地権・越境など)

  • 再建築不可
  • 道路との接道条件
  • 借地権・底地
  • 越境(塀・樹木・屋根などが境界を越えている)

といった重要なマイナス要素の説明が不十分なまま契約し、
後から買主が「知らされていなかった」と主張するケースです。


⑦ ローン特約やキャンセル時の取り扱いが分かりにくい

  • 買主の住宅ローンが通らず、契約が白紙に戻る
  • 手付金の返還・仲介手数料・実費の扱いが不明瞭
  • 売主・買主とも「そんなルールだとは思わなかった」と不満

4. 「人間関係」から発生するトラブル

⑧ 相続・離婚などで“誰が決めるか”を巡って揉める

  • 相続人が複数いて意見が割れる
  • 離婚前後で、
    • どちらが売却を進めるか
    • 売却益をどう分けるか
      で対立する

⑨ 隣地との境界・越境問題

  • 境界が曖昧なまま売却しようとして、
    測量の段階でお隣と問題が表面化
  • 樹木・塀・雨どいなどの越境が見つかり、
    「誰が・どこまで・どちらの費用で」是正するかでもめる

トラブルを事前に防ぐためのポイント

ポイント① 「査定額」ではなく「売り方」と「手取り額」の説明を聞く

  • 査定額だけで不動産会社を選ばず、
    • 価格戦略(いくらでスタートして、どこまで下げる可能性があるか)
    • 販売期間の目安
    • 手取り額のシミュレーション
      をセットで説明してもらうことが大切です。

チェックすべきポイント

  • 他社と比べて明らかに高すぎる査定を出していないか
  • 「この価格で必ず売れる」と言い切っていないか
  • 諸費用を含めた手残りのイメージを出してくれるか

ポイント② 残置物・解体・測量など“追加費用になりがち”な項目を先に洗い出す

  • 片付け(残置物処分)
  • 解体(古家付き土地の場合)
  • 測量・境界確定
  • リフォーム・ハウスクリーニング

など、あとから追加費用が発生しやすい項目は、必ず事前に相談します。

やること

  • 「どこまで片付ける前提か」
  • 「解体する or しない」
  • 「測量が必要か、誰の負担か」

を、不動産会社と具体的に決めておき、
見積書や媒介契約書・特約に反映させるのが理想です。


ポイント③ 売主側の“告知義務”を正しく理解し、隠さない

  • 雨漏り
  • 給排水トラブル
  • 白アリ
  • 近隣トラブル
  • 自殺・事故などの心理的瑕疵
  • 境界に関する過去のやり取り

など、「マイナス情報」をどう扱うかは非常に重要です。

基本スタンス

  • 「売れなくなるのが怖い」からといって、
    故意に隠すのはNG(後から発覚すると、損害賠償・契約解除のリスク)
  • 不動産会社と相談しながら、
    どこまで・どのように説明するかを整理しておく

ポイント④ 契約書・重要事項説明書を「家で一度読み直す」

  • その場で全て理解するのは難しいので、
    • 契約書案
    • 重要事項説明書案
      事前にもらって家で読み直すのがおすすめです。
  • 分からない箇所に付箋やマーカーをつけておき、
    当日の説明で一つずつ質問していくと、理解度が大きく上がります。

ポイント⑤ 説明は「口頭+書面」で残す(メールでもOK)

  • 大事なポイントほど、
    「さっき言いましたよね?」式の口頭だけで済まされると危険です。
  • 不安なことは、
    • メールで質問
    • 回答もメールでもらう
      ことで、後から見返せる形で残しておくと安心です。

ポイント⑥ 相続・離婚など「関係者が多い」案件は、最初から全員巻き込む

  • 後から「聞いていない」という人が出てくると、
    売却そのものが止まることもあります。
  • 最初の段階で、
    • 相続人全員
    • 離婚協議中なら双方+弁護士
      を関係者として整理し、
      早い段階で情報共有の場を作ることが大事です。

トラブルを減らすための進め方(時系列イメージ)

ステップ1|情報収集と「相場観」の把握

  • いきなり1社だけに相談せず、
    2〜3社から査定と売却プランを聞く
  • 千代田区など都市部では、
    ポータルサイトで近隣の成約事例・売出価格もチェックしておく

ステップ2|不動産会社選び(トラブルを避ける視点で)

見るべきポイント

  • メリットだけでなく、デメリットも説明してくれるか
  • 質問に対して、資料やデータを見せて具体的に答えてくれるか
  • 急かさないか(「今日決めれば特別に…」は要注意)
  • 媒介契約書・重要事項説明書のコピーを嫌がらないか

ステップ3|媒介契約時に「費用・責任範囲」を明確にする

  • 仲介手数料以外の費用(広告費・事務手数料・残置物処分費など)
  • 売主と買主、それぞれが負担する費用
  • 売却にかかるおおよその期間とスケジュール

などを、不動産会社と一緒に整理し、書面(媒介契約書や見積書)に落とし込む


ステップ4|売買契約前に「ここが揉めやすい」を重点チェック

  • 価格・支払い条件
  • 引き渡し時期・条件(残置物・クリーニングなど)
  • 瑕疵担保(契約不適合責任)の範囲と期間
  • ローン特約・キャンセル時の扱い

この4点は、後から揉める原因の大半です。
事前にもらった契約書案をもとに、納得いくまで確認します。


ステップ5|決済前に「精算内容」と「物件の最終状態」を確認

  • 精算書(お金の一覧)をもらい、
    • 売買代金
    • ローン返済
    • 諸費用
    • 最終的な手取り額
      を確認
  • 物件の最終状態(残置物の有無・鍵の本数・設備の動作確認)も
    不動産会社と一緒にチェックしておくと安心です。

専門家コメント

ホームワーク株式会社
代表取締役(不動産売買・売却相談担当)

「不動産売却でのトラブルは、
いきなり大きな“詐欺”というより、
小さな認識違いや説明不足の積み重ねから起きることがほとんどです。

特に多いのは、
・お金の話(手取り額・追加費用)
・残置物・解体・境界の話
・契約条件の細かいところ
です。

防ぐ方法としては、
・早めに複数社の意見を聞く
・契約書・重要事項説明書を家で一度読み直す
・不安なところは必ず書面やメールで確認しておく
この3つだけでも、トラブルのリスクは大きく減らせます。

『こんなこと聞いていいのかな』と思うようなことほど、
実は早めに質問しておいた方がいいテーマです。
遠慮せずに、気になった時点で相談してほしいと思います。」


よくある質問(FAQ)

Q1. 一番多いトラブルは何ですか?

A. 金額と条件に関するトラブルです。

  • 「こんなに値下げするとは思わなかった」
  • 「手取りが想像より少なかった」
  • 「残置物や解体費で追加費用がかかった」
    といったケースが非常に多いです。

Q2. トラブルを避けるために、不動産会社選びで一番大事なポイントは?

A.

  • デメリットも正直に話してくれるか
  • 質問に対して丁寧に答えてくれるか
  • 書面での説明を嫌がらないか

この3つです。
「メリットしか言わない会社」「急かす会社」は注意が必要です。


Q3. 口頭で『サービスでやっておきます』と言われたことは信じていいですか?

A. 大事なことほど、書面やメールで残してもらうべきです。
「サービスでやる」と言われたことも、

  • 見積書
  • 特約
    などに書いてもらうと安心です。

Q4. 売却後に雨漏りが見つかりました。全部売主負担になりますか?

A. 契約内容(契約不適合責任の範囲・期間)と、
売主がその不具合を知っていたかどうかによります。

  • 事前に把握していたのに告知していなければ、売主側の責任を問われやすい
  • 売主も知らなかった“隠れた欠陥”で、責任免除特約があれば、負担しないケースもあります

契約書の該当条項を確認し、不動産会社・専門家へ相談してください。


Q5. 相続人が複数いるのですが、一人だけで売却を進めても大丈夫ですか?

A. 原則として、全相続人の同意と協力が必要です。
一人が勝手に進めてしまうと、
後から売却そのものが問題にされる可能性があります。
最初から全員を巻き込み、話し合いを進めることが重要です。


Q6. 「今決めないと損します」と急かされました。どう対応すべきですか?

A. その場では契約せず、

  • 一度持ち帰る
  • 家族と相談する
  • 別の会社の意見も聞く

時間を置いてから判断してください。
高額な不動産取引で「即決を迫る」営業は要注意です。


Q7. すでにトラブルになってしまいました。どこに相談すればいいですか?

A.

  • 取引した不動産会社
  • 各都道府県の宅建業指導課・相談窓口
  • 消費生活センター
  • 弁護士

などが主な相談先です。
契約書・メール・メモなどの資料を揃えてから相談すると、話がスムーズです。


Q8. トラブルを完全にゼロにするのは無理ですか?

A. 完全にゼロにするのは難しいですが、

  • 事前の情報収集
  • 書面での確認
  • 複数社からの意見取得

を徹底すれば、「大きなトラブル」に発展する可能性は大きく下げられます。


Q9. 契約書を理解する自信がありません。どうしたらいいですか?

A.

  • 不動産会社に、図や具体例を使って説明してもらう
  • 家族や、不動産に詳しい知人に一度見てもらう
  • 公的な無料相談(法律相談・不動産相談)を活用する

など、“第三者の目”を入れると理解しやすくなります。


Q10. まず何から始めれば、トラブルを避けやすくなりますか?

A.

  1. 物件の概要とローン残高を整理する
  2. 2〜3社に査定と売却プランを依頼し、内容を比較する
  3. 媒介契約書・契約書案を持ち帰り、家で読み直して質問リストを作る

この3ステップを踏むだけでも、
「知らないまま進めて後悔する」リスクは大きく減らせます。

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