借地権付き建物は売れる?地主との関係と売却の現実

お金と家

【結論】借地権付き建物も売れる。ただし「地主との関係」と「契約内容の整理」を先にやるかどうかで、価格もスピードも大きく変わる

借地権付き建物(借地権付き一戸建て・借地権付き長屋・テラスハウスなど)は、

  • 所有権に比べて売りにくい
  • 地主との関係がこじれそうで不安
  • そもそも本当に売れるのか分からない

と感じて、動けずにいる方がとても多い物件です。

実務の感覚としては、

  • 「売れるかどうか」よりも
    → どんな条件・どれくらいの価格で売れるか
  • 「借地だから売れない」のではなく
    → 地主とのコミュニケーションや契約内容が曖昧なまま進めると、こじれやすい

というのが本当のところです。

ポイントは次の4つです。

  • 契約書をベースに「借地の条件」(期間・地代・更新・名義書換など)を整理する
  • 地主に早めに「売却の意向」を伝え、承諾料・名義書換料の考え方をすり合わせる
  • 借地権でも住宅ローンが組める金融機関や、借地に慣れた不動産会社を選ぶ
  • 場合によっては「底地との同時売却」や「買取」も視野に入れる

この準備をきちんと行えば、

  • 想像していたよりスムーズに
  • 想像していたよりも低くない価格で

売却できるケースが多くあります。

以下で、借地権付き建物の売却について、

  • なぜ敬遠されがちなのか
  • 実際にはどこが“詰まりやすいポイント”なのか
  • どう対処すれば現実的に売っていけるのか

を、ホームワーク株式会社の実務経験も踏まえて解説します。


目次

借地権付き建物はなぜ敬遠されがちなのか

借地権付き建物の基本構造

借地権付き建物とは、

  • 土地:地主(第三者)の所有
  • 建物:借地人(あなた)の所有

という状態の不動産です。

代表的な借地の種類は次の2つです。

  • 普通借地権
    • 一定期間ごとに更新していく前提
    • 正当事由がない限り、地主から一方的に終了させにくい
  • 定期借地権
    • 契約期間満了で原則「更地にして返還」が前提
    • 更新なしが原則(“期間限定の権利”と理解されやすい)

買い手にとっての「不安ポイント」

買主側の立場から見ると、次のような不安が出てきます。

  • 土地は自分のものにならない(資産性への不安)
  • 将来の更新料や地代がどのくらいか読みにくい
  • 地主との相性や関係性が分からない
  • 建て替え・増改築の際に、地主の承諾が本当に得られるか
  • 住宅ローンがきちんと通るのか

これらの“見えない部分”が多いほど、

  • 「リスクがよく分からないから、やめておこう」
  • その代わり「価格がかなり安ければ検討する」

という判断になり、結果的に「評価されにくい」状態になります。


借地権付き建物が「実際に」売れる条件

条件① 借地契約の内容がハッキリしている

買主が安心して判断できる状態とは、

  • 借地契約書のコピーがしっかり残っている
  • 契約期間(満了日)が明確
  • 地代・更新料・名義書換料の「計算ルール」がわかる
  • 建て替え・増改築時の承諾条件が書類で確認できる

という状態です。

逆に、

  • 契約書が見当たらない
  • 古い契約で、内容もあいまい
  • 口頭での取り決めが多い

といったケースでは、買主も金融機関も判断が難しくなり、
「買うに買えない」「かなりの値引き前提になる」という現実があります。

条件② 地主とのコミュニケーションが取れる

売却時には多くの場合、

  • 借地権譲渡の「承諾書」が必要
  • その際に「承諾料/名義書換料」が発生することがある

ため、

  • 地主と連絡がつくか
  • 話し合いができる状態か

という点がとても重要です。

買主にとっては、

  • 「地主はどんな人ですか?」
  • 「これまでトラブルはありましたか?」

といった点も、物件選びの重要な判断材料になります。


借地権付き建物の売却で「現実的に起こること」

1. 所有権よりは価格が下がるのが一般的

同じエリア・同じ建物の条件であれば、

  • 所有権付き戸建て
  • 借地権付き戸建て

を比べると、

  • 借地権付きのほうが安い
  • 下がり幅のイメージは「所有権相場の6〜8割」程度になることが多い

というのが現場感覚です。

ただし、

  • エリアの人気度
  • 借地の条件(期間・地代・更新料など)
  • 建物の状態(築年数・リフォーム歴)

によって大きくブレます。

2. 売却までに時間がかかる“こともある”

  • 買主の母数が少ない
  • ローン相談・地主承諾など、手数が多い

ため、

  • 所有権の戸建てやマンションに比べると、売却に時間がかかることがある
  • 一方、価格設定と情報整理が的確であれば、数ヶ月で売れる例も十分ある

というのが実際のところです。

3. 「地主との条件交渉」がボトルネックになりやすい

現場で一番詰まりやすいのは、ここです。

  • 地主が名義書換料を高額に要求する
  • そもそも借地権の譲渡に前向きではない
  • 高齢で話がなかなか進まない/相続人が多く調整が難しい

こうしたケースでは、地主との交渉をどう乗り越えるかがカギになります。


借地権付き建物を「売れる条件」に整えるステップ

ステップ① 借地契約書類を全部かき集める

まずやるべきことは「書類の棚卸し」です。

  • 借地契約書(初回契約書)
  • 更新契約書や覚書
  • 地代の領収書・通帳記録
  • 建て替えや増改築に関する承諾書(あれば)

これらを揃え、不動産会社に見せられる状態にします。

もし見つからない場合は、

  • 地主
  • 管理会社
  • 過去に取引した不動産会社

などにコピーの有無を確認していく必要があります。

ステップ② 地主に「売却の意向」を早めに伝える

いきなり買主候補を連れて行くのではなく、その前に、

  • 「近いうちに売却を考えている」
  • 「その際に名義書換料や承諾料などのお考えを伺いたい」

といったかたちで、早めに相談の糸口をつくっておくことが大切です。

ここで、

  • 地主が売却自体に前向きか
  • 承諾料の水準についてどの程度の感覚を持っているか
  • できれば底地も一緒に売却してもよいと考えているか

といった情報が見えてきます。

地主への説明や交渉が不安な場合は、
不動産会社やホームワーク株式会社のような第三者に同席してもらうのが安心です。

ステップ③ 借地条件を「見える化」した資料を作る

買主に見せるための、

  • 契約期間(開始日~終了予定日)
  • 地代(月額・支払方法)
  • 更新料・名義書換料の算定方法と最近の実績(※わかる範囲で)
  • 建て替え・増改築の承諾実績の有無
  • 地主とのこれまでの関係(トラブルの有無など)

を、1枚のシートに整理しておくと、

  • 内覧時・相談時の説明がスムーズ
  • 不安より「納得」ベースで検討してもらえる

ようになります。

ステップ④ 住宅ローンに強い金融機関を押さえておく

借地権付き建物の場合、

  • どの銀行でも同じようにローンが組めるわけではない
  • 「借地OK」の金融機関でも、条件はまちまち

です。

借地の取り扱いに慣れた不動産会社であれば、

  • 「この条件なら、この金融機関でこのくらいまで借りられそうです」

という話を事前にまとめたうえで、
購入検討者に案内することができます。

これは、売れ行きにかなり効いてきます。

ステップ⑤ 建物の状態をできる範囲で整える

「借地だから安い+建物もボロボロ」だと、
どうしても価格は大きく下がってしまいます。

予算に応じて、

  • ハウスクリーニング・不要物撤去
  • 壁紙・床の部分張り替え
  • 水回りの簡易リフォーム

など、「見た目と使用感」を改善することで、

  • 「借地でも、ここなら住みたい」
    と感じる買主をつかまえやすくなります。

ホームワーク株式会社では、

  • リフォームの有無による売却価格の違い
  • かけた費用を回収できるかどうかの目安

まで含めて試算するようにしています。


ケース別:借地権付き建物の売却パターン

ケース① 普通借地権・契約内容が明確・地主も協力的(仲介向き)

  • 契約期間:まだ十分に残っている
  • 地代:相場並み、更新料も妥当な範囲
  • 地主:話が通じやすく、譲渡にも前向き

このような場合は、

  • 一般の買主向けに仲介で売り出す
  • 所有権相場の「7〜8割」程度の価格設定を目安にスタート

というパターンが多いです。

ケース② 定期借地権・残り期間が短い(投資家・セカンドハウス向け)

  • 残存期間:10〜20年を切っている
  • 購入層:
    • セカンドハウス・週末利用
    • 一定期間だけ住めれば良いと考える層
    • 投資家(賃貸運用を前提)

この場合は、

  • 自宅用のローンではなく、投資用ローン・現金購入が中心
  • 価格は所有権相場の5〜7割程度になることも

という「少し特殊なマーケット」になります。

ケース③ 地主との関係が複雑・老朽化が進行(買取や底地同時売却向き)

  • 契約内容が古く複雑
  • 地主が高齢・相続争いなどで話が進みにくい
  • 建物の老朽化が激しい

こうしたケースでは、

  • 買取業者やホームワーク株式会社のような会社に
    「借地権ごと」買い取ってもらう
  • 地主側の理解が得られれば、底地とまとめて「一体」として売却する

といったスキームを検討する価値が高くなります。


ホームワーク株式会社の専門家コメント

「借地権付き建物のご相談では、

  • 『地主さんが怖くて何も言えない』
  • 『契約書が古くて、自分でも内容がよく分からない』
  • 『借地だと売れないと聞いて、そのまま放置している』

といったお悩みを非常によく伺います。

借地権付き物件の売却は、所有権に比べて“ひと手間”多いのは事実ですが、
しっかりとステップを踏めば、決して『売れない物件』ではありません。

重要なのは、

  • まず契約内容を“文章レベル”で整理すること
  • できる範囲で早めに地主様とコミュニケーションを取ること
  • 借地に慣れた不動産会社・金融機関を味方につけること

の3つです。

ホームワーク株式会社では、

  • 借地契約書の読み解きと“翻訳”
  • 地主様への説明・同行
  • 仲介・買取・底地同時売却・リフォーム再生といった選択肢の比較

まで一気通貫でサポートしています。

『借地権付き建物だから…』と諦めてしまう前に、
今の契約と物件の状態を整理するところから、一緒に始めていければと思います。」


よくある質問(FAQ)

Q1. 借地権付き建物は、本当に売れるのでしょうか?
A. 売れます。ただし、所有権の建物に比べて、

  • 価格が下がる
  • 売却に時間がかかる
  • 手続きが複雑
    になりやすいのは事実です。
    契約内容の整理と地主との調整を先に進めておくことで、売れやすさは大きく変わります。

Q2. 売却時に地主の承諾は必ず必要ですか?
A. 実務上ほとんどのケースで必要です。
借地契約書に「譲渡・転貸は地主の承諾を要する」と定められていることが多く、
承諾にあたって名義書換料が発生するのが一般的です。

Q3. 名義書換料は誰がいくら払うものですか?
A. 法律で一律に決まっているわけではありません。

  • 地主の希望金額
  • 地域の慣習
  • 売買価格とのバランス
    を踏まえて、売主・買主・不動産会社で調整します。
    売主・買主で折半、あるいは売主側負担など、ケースは様々です。

Q4. 借地権付き建物でも住宅ローンは使えますか?
A. 多くの金融機関で借地権付き物件にも住宅ローンは使えますが、

  • 借地契約の残存期間
  • 借地の種類(普通/定期)
    によって条件が変わります。
    借地案件に慣れている銀行・担当者を不動産会社から紹介してもらうのがおすすめです。

Q5. 契約書をなくしてしまいました。それでも売却できますか?
A. 売却は可能ですが、その前に

  • 地主や管理会社から契約内容の写しを取り寄せる
  • 過去の更新書類や領収書などから内容を復元する
    必要があります。
    契約内容が曖昧なままだと、買主も銀行も判断しづらく、売却しにくくなります。

Q6. 借地権を地主に買い取ってもらうことはできますか?
A. 地主の意向と資金状況次第ですが、可能性はあります。

  • 地主が底地を手放したがっている
  • 相続や資産整理のタイミング
    などで話が進みやすいこともあります。
    まずは不動産会社を通じて打診してみるのが現実的です。

Q7. 建物がかなり老朽化しています。解体してから売るべきでしょうか?
A. ケースバイケースです。

  • 解体費をかけて更地にし、借地権付き駐車場用地などとして売る
  • 現況のまま「古家付き借地」として売る
    どちらが得かは、エリア・需要・建物状態によって異なります。
    現況のまま査定し、両パターンを比較するのがおすすめです。

Q8. 地主との関係が悪く、話をしてくれません。売却は無理ですか?
A. 難易度は上がりますが、必ずしも不可能ではありません。
不動産会社や専門家を通じて丁寧にコミュニケーションを重ねることで、
少しずつでも前に進むケースもあります。
状況によっては、弁護士と連携した対応が必要になることもあります。

Q9. 借地権付き建物を買取してもらうことはできますか?
A. 可能です。
借地に慣れた買取業者や、ホームワーク株式会社のように
借地権付き物件の再生を行う会社であれば、

  • 現況のまま買取
  • 地主と協議しながら底地とまとめて買取
    などのスキームを提案できる場合があります。

Q10. まずは何を持って相談に行けばいいですか?
A. 初回相談の時点では、次のような情報があれば十分です。

  • 物件の住所(または大まかな場所)
  • 借地契約書(見つかっている範囲で)
  • 地代・契約期間・更新履歴など、分かる範囲の情報
  • 売却の理由(住み替え・相続・資産整理など)
  • 売却希望の時期(急ぎかどうか)

ホームワーク株式会社では、
これらをもとに

  • 借地条件の整理
  • 仲介と買取、それぞれの想定価格
  • 必要に応じたリフォームや底地売却の可能性

をまとめてご説明し、「借地権付き建物の現実的な出口」を一緒に考えていきます。

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