【結論】「融資が付かない不動産」も売却は可能|ただし“買主の資金ルート”を変えない限りいつまでも売れない
不動産会社から
- 「この物件は融資が付きにくいです」
- 「金融機関の評価が出ず、ローンが難しいと言われました」
と言われると、
- 「もう売れないのでは?」
- 「値下げするしかないのか?」
と不安になる方は多いです。
結論から言うと、
- 融資が付かない・評価が出にくい不動産でも、売却自体は十分可能です。
- ただし、
- 一般のエンドユーザー(住宅ローン前提の買主)ではなく
- 現金購入・ノンバンク・プロ向け融資に切り替える
といった「買主の資金ルート」を変えない限り、
価格をいくら下げても“売れにくい状態”は続きます。
重要なのは、
- なぜ「融資が付きにくい」のか(金融機関の目線)を理解する
- どんな買主・どんな資金調達なら成約の可能性があるのか整理する
- それに合った売り方(ターゲット・価格・出口)に切り替える
ことです。
以下で、「評価が出ない不動産」の典型パターンと、
金融面から見た現実的な売却戦略を解説します。
そもそも「融資が付きにくい・評価が出ない不動産」とは?
代表的なパターン
金融機関が慎重になる物件には、次のようなものがあります。
- 再建築不可物件(接道義務を満たしていない土地・戸建)
- 私道負担が大きい・通行権があいまいな物件
- 旧耐震のマンション・ビル(1981年5月31日以前の建築確認)
- 過度な増改築・用途変更で“違法性”を含む建物
- 極端な地方・人口減少エリア・需要の薄い立地
- 極端に利回りの低い収益物件(家賃相場とのバランスが悪い)
- 土地値を大きく超えた高額な築古アパート・住宅
- 借地権付き・底地・共有持分のみの不動産
- 事故物件(心理的瑕疵)や長期空室で収益履歴がない物件 など
金融機関が見ているのは「返済原資」と「担保価値」
金融機関は融資可否を判断するときに、
- 返済原資(給与・家賃収入など)
- 担保価値(売れなくなったときにどこまで回収できるか)
の両方を見ます。
- 自宅購入ローン
→ 借りる人の年収・勤続年数・他の借入状況が重視 - 投資用・事業用ローン
→ 物件の収益性・将来の価値・売却しやすさが重視
「融資が付かない」と言われる物件は、多くの場合、
- 万一、返済が滞ったときに
売却しても貸したお金を回収しきれない可能性が高い - 将来の需要・売却時の出口が見えにくい
と判断されている、ということです。
なぜ「融資NG=売れにくい」につながるのか
一般の買主の多くは「ローン前提」
- 自宅用の購入者
→ ほぼ全員が住宅ローンあり - 投資家でも、
フルローン・高いレバレッジに依存している層は多い
つまり、
「ローンが付かない=その物件を買える人が一気に減る」
という意味になります。
- 価格を少し下げても、
- 「そもそも融資不可」だと買主の母数は増えません。
売却戦略としては、
- ローンに頼らず買える層
- 融資が付きやすいスキーム・金融機関を使える層
を狙っていく必要があります。
パターン別:「融資が付きにくい不動産」の現実的な売却先
ここでは、代表的な「融資NG物件」のパターンごとに、
どんな買主・資金ルートが現実的か整理します。
① 再建築不可・接道難ありの土地・戸建
【金融機関の見方】
- 将来建て替えができない → 流通性が低い
- 万一競売となっても、よほど価格を下げないと売れない → 担保として弱い
【現実的な売却先】
- 現金購入の投資家(賃貸用・セカンドハウス用途など)
- 隣地所有者(将来の一体利用・再建築を見据える層)
- 再建築不可・訳あり物件を専門に扱う買取業者
【戦略のポイント】
- 「ファミリーのマイホーム需要」ではなく、投資家・隣地・専門業者を狙う
- 再建築不可のリスク・賃貸での利回りシミュレーションを冷静に提示する
- 価格はどうしても相場より下がるため、
「維持し続けるコスト」との比較で判断する必要があります。
② 旧耐震(築古マンション・ビル)
【金融機関の見方】
- 耐震性への不安
- 大規模修繕・建て替えリスク
- 将来の資産価値の読みにくさ
【現実的な売却先】
- 現金比率の高い投資家(長期保有/リノベ前提)
- 自己資金を多く出せる実需買主(住宅ローン+多めの頭金)
- 旧耐震案件に慣れた買取再販業者
【戦略のポイント】
- 「この価格なら現金でも投資妙味がある」というラインを見極める
- インスペクション(建物診断)を入れて“未知のリスク”を減らす
- 自宅用途なら「リノベ済み」「耐震改修済み」などパッケージ化して
銀行ローンが付きやすい形に持っていく工夫も有効です。
③ 地方・人口減少エリア・郊外の収益物件・空き家
【金融機関の見方】
- 将来の賃貸需要・売却需要が読みにくい
- 空室になったときのテコ入れが難しい
- 「土地値の下落リスク」が大きい
【現実的な売却先】
- 地場の事情に詳しい地元投資家
- 超長期・現金投資で考える個人富裕層
- 地方・難エリアを専門とする買取再生業者
【戦略のポイント】
- 都市部の投資家感覚ではなく、地場の利回り感覚を基準に価格設定
- 「現状利回りが低い物件」は、
- リノベ・賃料是正・用途転換後の収支シミュレーションを提示
しないと、金融機関も投資家も前向きになりません。
- リノベ・賃料是正・用途転換後の収支シミュレーションを提示
- 場合によっては、
「解体・更地売却」や「隣地売却・自治体への相談」も選択肢になりえます。
④ 利回りが低すぎる/収益バランスの悪い物件
【金融機関の見方】
- 家賃収入に対して価格が高すぎる
→ 収益還元法の評価が伸びない - 空室リスクを織り込むと“逆ザヤ”になりかねない
【現実的な売却先】
- 自己資金比率が高く、“利回りより安定性重視”の投資家
- 自ら事業に使う法人(社宅・寮・事務所転用など)
- 今の賃貸借条件を整理して、将来的に利回り改善が見込めると判断するプロ投資家
【戦略のポイント】
- 単純な「現状利回り○%」だけでなく、
- 空き室解消後
- 家賃是正後
のシミュレーションを資料で見せることが重要
- それでも投資妙味が乏しいなら、
プロ買取にまとめて売却し、リスクを手放す選択も検討。
「融資が付きにくい不動産」を売るための4つの資金ルート戦略
融資NG物件の売却では、
「誰がどのお金で買うか」
を発想の起点にすると、出口が見えやすくなります。
ルート① 現金買主をターゲットにする
- 個人富裕層・資産家
- 既にローン枠を使い切っており、現金で買い増ししたい投資家
- 同じエリアで複数物件を所有する地場オーナー
【メリット】
- 金融機関の評価に左右されない
- 契約〜決済までのスピードも比較的早い
【デメリット】
- 「現金で・その物件を・その価格で買いたい人」は多くない
→ 価格面での譲歩が必要なことも多い
ルート② ノンバンク・投資用ローンに強い金融機関を使う
- 地銀・信金・信組・ノンバンクの中には、
「築古・地方・借地」などを比較的前向きに見るところもあります。
【ポイント】
- 一般的な都市銀行NGでも、地場金融機関ならOKという事例は多い
- 金利は高め・融資条件は厳しめだが、
「全く融資が出ない」よりははるかに出口が広がる
【売主としてできること】
- 仲介会社に「どの金融機関なら可能性があるか」を事前に確認
- その金融機関の融資基準に合わせて、
- 家賃設定
- 賃貸契約書
- 満室化戦略
などを整理しておく
ルート③ 不動産会社・買取業者への売却(プロの自己資金+プロ向け融資)
【メリット】
- 買取業者は、自社枠やプロ向けローンを持っているため、
一般の買主よりも「融資を付けやすい」 - 一般の住宅ローンが付かない物件でも、
再生・転用前提で仕入れてくれることがある
【デメリット】
- 仕入れ後の再販リスク・コストを織り込むため、
仲介価格よりは安くなりがち(6〜8割程度が目安)
ルート④ 売主側で「条件を整えてから売る」
- 相続登記・未登記建物の登記など、権利関係をきちんと整える
- 違法増築部分の是正・用途の適正化
- 空室だらけのアパートなら、
- 最低限のリフォーム
- 賃料見直し
- 管理体制の改善
によって稼働を上げてから売る
【メリット】
- 金融機関から見た「リスク」が減れば、評価が改善する可能性がある
- 結果的に「高く売れる」「一般買主層にも売れる」可能性が広がる
【デメリット】
- 時間とお金がかかる
- 改善投資した分を、確実に売却価格で回収できるとは限らない
「結局、売る or 持ち続ける」判断は“金融目線のシミュレーション”がカギ
融資が付きにくい不動産を持っているとき、
多くの方は
- 「いつか値上がりするかも」
- 「今は売りたたかれるから、様子を見よう」
と考えがちですが、
- 固定資産税
- 管理費・修繕積立金(マンション)
- 維持管理コスト(草刈り・修繕など)
- 災害・老朽化リスク
を含めると、持ち続けるリスクとコストも無視できません。
ざっくりとでも、次の2パターンを比較してみるべきです
- 【持ち続ける場合】
- 向こう○年間の固定資産税・維持費
- 大規模修繕・建て替えリスク
- 空室・賃料下落の可能性
- 【今売る場合】
- 実際に売れそうな価格(仲介/買取)
- 売却時にかかる税金(譲渡所得税)・諸費用
これを数字で並べてみると、
- 「融資は付きにくいが、それでも持ち続ける意味がある」のか
- 「多少安くても、今のうちに“出口を確保”した方が健全」なのか
が、少し冷静に見えてきます。
専門家コメント
ホームワーク株式会社 代表取締役(不動産売買・投資・買取担当)
- 再建築不可・旧耐震・空室多めアパートなど
「融資が付きにくい不動産」の売却サポート実績多数 - 個人投資家・法人・買取業者・金融機関とのネットワークを活かした出口戦略が強み
コメント
「『融資が付かないと言われた=もう売れないのでは?』
というご相談は、本当に多いです。
ただ、実務の感覚としては、
- “融資NGだから売れない”のではなく、
“買主像と資金ルートが合っていないから売れていない”
というケースが大半です。
たとえば再建築不可なら、
- 住宅ローンのエンドユーザーに売ろうとするのではなく、
- 再建築不可を理解している現金投資家や専門買取業者に
条件を合わせにいく
といった「ターゲットの切り替え」だけで、
一気に出口が見えることも少なくありません。
大事なのは、
- 『なぜ金融機関がNGと言っているのか』を整理すること
- 『それでも買える層はどこか』を見つけること
- 『売るか/持つか』を、将来のコストも含めて冷静に比較すること
です。
『金融機関に断られたから終わり』ではなく、
そこからが“出口設計”のスタートです。
一度、金融面からのシミュレーションを含めて整理してみることをおすすめします。」
よくある質問(FAQ)
Q1. 銀行に「この物件には融資できない」と言われました。もう売れませんか?
A. 売却は可能です。
その銀行が融資NGでも、
- 他の金融機関(地銀・信金・ノンバンク)
- 現金買主
- 不動産会社・買取業者
など、別の資金ルートでの出口があります。
Q2. 融資が付きにくい物件は、どれくらい値下げしないと売れませんか?
A. 物件ごとに違いますが、
仲介では「相場より○%安いから売れる」という単純な話ではありません。
「誰に・どんな資金で買ってもらうか」が決まらない限り、
値下げだけでは解決しないことも多いです。
Q3. 再建築不可の戸建は、銀行ローンは絶対に無理ですか?
A. 一般的な住宅ローンはかなり厳しいのが現実ですが、
- 地場の金融機関
- ノンバンク系
- 事業性融資(投資用として)
などで可能性があるケースもあります。
ただ、多くの場合は現金購入or買取を前提に考えた方が現実的です。
Q4. 旧耐震マンションは、もう売らない方がいいのでしょうか?
A. 一概には言えません。
- 賃貸需要が強いエリア
- リノベ素材として人気の高い立地
であれば、投資家・買取業者向けに十分売却可能です。
ただし、将来の修繕・建て替えリスクや、
保有コストも含めて検討する必要があります。
Q5. ノンバンクローンは金利が高いので、買主に勧めてもいいのか不安です。
A. 金利は高めですが、その代わり
- 融資が出やすい
- スピードが速い
といったメリットがあります。
購入する方の投資計画・返済計画次第なので、
売主側が一概に「良い・悪い」と判断する必要はありませんが、
無理な資金計画を前提にしないことは重要です。
Q6. 買取に出すと、どのくらい安くなりますか?
A. 目安として、
仲介での想定成約価格の6〜8割程度が多いです。
物件が難しいほど「6割寄り」に、
エリア・条件が良いほど「8割寄り」になりやすい傾向です。
Q7. 売る前に、リフォームや満室化をしてからの方がいいですか?
A. ケースバイケースです。
- 改善にかかる費用・時間
- その結果どれくらい高く売れそうか
- 自分がそのリスクを取るべきか
を数字で比較して判断します。
「プロに任せて一括買取してもらう」方が結果的に合理的な場合もあります。
Q8. 融資が付きにくい物件を相続しました。すぐ売るべきですか?
A. すぐ売るべきかどうかは、
- 相続税・固定資産税・維持費の負担
- 将来の価値・需要見込み
- 相続人の間での意向
によって変わります。
ただ、「融資NG=将来の出口も狭い」ことは事実なので、
早めに売却シミュレーションだけでもしておく価値は高いです。
Q9. 今の不動産会社から『この物件はローンが付きません』と言われました。本当にそうなのか不安です。
A. 別の不動産会社や、融資に強い専門家のセカンドオピニオンを取ることをおすすめします。
金融機関との付き合い・実績によって、
提案できるローンやスキームが違う場合があります。
Q10. まず何から相談すればいいですか?
A.
- 物件の内容(所在地・用途・築年数・収益状況など)
- 金融機関から言われたこと
- 売却したい時期・希望価格
をまとめたうえで、
「金融機関評価が出にくい前提で、どんな売り先・資金ルートがあるか」
を不動産会社に相談するのが第一歩です。
必要に応じて、金融機関・税理士とも連携しながら、
「売る/持つ」のシミュレーションまで一緒に行うと判断しやすくなります。
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