仲介を断られた不動産、それでも解決できる可能性はある?

ポイント

【結論】仲介NG=「完全に詰み」ではない|売れにくい理由を分解すれば、買取・隣地売却・用途変更・権利整理など“まだ取れる手”は意外と多い

不動産会社に相談したとき、

  • 「この物件はうちではお預かりできません」
  • 「正直、仲介では厳しいです」
  • 「広告を出してもおそらく決まりません」

仲介(通常の売却)を断られるケースが増えています。

とはいえ、

  • 仲介を断られた =「もう何もできない」「一生抱え込むしかない」

という意味ではありません。

多くの場合、

  • 立地・物件の条件
  • 権利関係
  • 金額(売主の希望価格)
  • 法的・物理的な制限

のどれか/いくつかが原因で、
「普通の仲介」では採算が合わない・リスクが高いと判断されているだけです。

その原因を整理すれば、

  • 不動産買取
  • 隣地へのピンポイント売却
  • 用途変更してからの売却
  • 権利・相続整理をしたうえでの再チャレンジ
  • 思い切った「手放し方」(国庫帰属・寄付・無償譲渡 など)

といった代替ルートが見えてくることが多くあります。

以下では、

  1. なぜ不動産会社は“仲介を断る”のか
  2. 仲介NGになりやすい物件タイプと理由
  3. タイプ別に考えられる「まだ取れる手」
  4. 実際にどう動くか(現実的な進め方)
  5. 専門家コメントとFAQ

の順で整理して解説します。


目次

不動産会社が「仲介を断る」主な理由

不動産会社が仲介をお断りする背景には、たいてい次のどれか(複数)が絡んでいます。

理由① 「売れる見込みが極めて低い」=ビジネスとして成り立たない

不動産会社にとって仲介は、

  • 広告費・人件費・調査費用をかけて
  • 成約したときの仲介手数料で回収する

というビジネスです。

そのため、

  • 立地やニーズ的に、問い合わせがほとんど期待できない
  • 成約までに何年もかかりそう
  • そもそも買主候補が思いつかない

という物件は、

「預かっても、費用と時間だけかかって
会社として赤字になる可能性が高い」

と判断され、仲介自体を断られることがあります。

理由② 権利関係・法的リスクが大きい

以下のようなケースです。

  • 共有名義が多く、全員の意思確認が難しい
  • 相続登記が終わっていない/相続人が散在している
  • 再建築不可・接道義務違反・越境・違法増築 など
  • 借地権・底地・借家人付き・未登記建物 等が複雑に絡む
  • 境界不明で、隣地とトラブルの火種を抱えている

このような物件は、

  • 契約不適合責任(昔の「瑕疵担保責任」)のリスク
  • 買主とのトラブル・クレームリスク
  • 裁判・紛争に発展するリスク

が高く、「普通のエンドユーザー」に売りにくいことから、
仲介会社が敬遠しがちです。

理由③ 売主の希望価格と市場価格がかけ離れている

  • 「ローン残債がこのくらいだから、〇〇万円以下では売りたくない」
  • 「昔〇〇万円で買ったから、それ以上じゃないと嫌だ」

といった希望に対し、

  • 成約事例から見て、その価格ではほぼ売れない
  • 大幅に値下げしない限り、長期化が確実

とプロが判断した場合、

「この条件なら弊社ではお受けできません」

と、やんわり/はっきり断られることがあります。

理由④ 事故物件・心理的瑕疵・近隣問題などの情報

  • 自殺・他殺・事故などの発生履歴
  • 近隣での反社会的勢力・ゴミ屋敷・迷惑行為
  • 悪臭・騒音・振動などの継続的な問題

など、「心理的に買主が付きにくい」「クレームになりがち」な要素がある場合、
経験上トラブルを避けたい会社が仲介を控えることもあります。


仲介NGになりやすい不動産のタイプ

おおよそ、次のような物件が「仲介はちょっと…」と言われやすい典型です。

  • 再建築不可物件(建物は建て替え不可だが、古家付きで残っている土地)
  • 接道条件を満たさない旗竿地・私道奥の物件
  • 地方の築古空き家・空き店舗(需要が乏しいエリア)
  • 山林・農地・原野など、一般住宅用ではない土地
  • 借地権付き建物・底地・借家人付き物件
  • 共有名義が多く、相続登記も未了のまま長期放置されている土地
  • 難ありマンション(管理不全・滞納多発・大規模修繕の目処なし)
  • 事故物件・告知事項あり物件 など

このような物件でも、
**「仲介は断られたが、別ルートで解決した」**事例は多く存在します。


タイプ別:仲介NGからの「まだ取れる手」

ここからは、よくあるパターンごとに、
考えられる打ち手(出口戦略)を整理します。

パターン① 「立地・需要の問題」で売れにくい物件

例:

  • 地方の空き家・築古戸建・空き店舗
  • 駅から遠く、周辺も空き家だらけ
  • 商店街がシャッター通り化している

【取り得る選択肢】

  • 不動産買取業者への相談
    → 相場の6〜8割程度になるが、スピード重視で手放せる可能性
  • 隣地へのピンポイント売却
    → たとえば隣家が土地を広げたい/駐車場にしたいニーズがあることも
  • 用途を変えて活用し、後で売る
    → 月極駐車場・トランクルーム・倉庫用地など
    (ただし初期投資と採算性の検証が必須)
  • 「相続土地国庫帰属制度」など、公的な手放し方の検討
    → 条件が厳しいので最終手段の一つ

パターン② 再建築不可・接道不良の土地

【取り得る選択肢】

  • 「再建築不可専門」の買取業者に相談
    → 再販・賃貸運用のノウハウを持つ業者が一定数存在
  • 隣地と一体利用する前提で売る
    → 隣地と合わせれば再建築可能になるケースでは、
    隣地所有者にとって思いのほか価値が高いことも
  • 建物を簡易リフォームして「戸建て賃貸」として運用→その後投資家に売却
    → 利回り商品としてなら買い手がつく場合もある

パターン③ 農地・山林・原野など、非宅地系の土地

【取り得る選択肢】

  • 農地:農地のまま「近隣農家・JA」に売る or 貸す
  • 転用できる場所なら、宅地・駐車場・資材置場等に用途変更してから売る
  • 山林・原野:
    • 森林組合・林業事業者
    • 隣地所有者
    • アウトドア用途で欲しい個人・法人
      などをターゲットに、通常の「住居用」マーケットとは別ルートで探す

それでもダメなら、

  • 国庫帰属制度(要件が厳しい)
  • 自治体への寄付・無償譲渡
    など、「お金にならなくても手放す」方向も視野に入ります。

パターン④ 共有名義・相続未登記・権利がぐちゃぐちゃ

【取り得る選択肢】

  • まず司法書士に「権利関係の棚卸し」を依頼
    → 誰が何%持っているのか/相続登記がどこまで必要か
  • 共有者をできるだけ絞る方向で話し合い
    → 共有者の一部が持分を他に譲る形で意思決定をしやすくする
  • 「共有持分」だけを専門に扱う買取業者に売る
    → 一部の持分のみ買取→業者が残りの共有者と交渉するモデル

仲介を受けてもらうには、

「誰が売主になるのか」「誰のサインで売れるのか」

を明確にする必要があり、
**登記・相続・共有解消が“前工程”**になることが多いです。

パターン⑤ 事故物件・告知事項あり・近隣問題

【取り得る選択肢】

  • 事故物件専門の買取業者に売却
    → リフォーム+投資用として再販するモデルがある
  • 賃貸に出してから、利回り商品として投資家に売却
    → 家賃収入を前提に利回りで評価してもらう
  • 問題の状態を改善する(近隣トラブルの解消・ゴミ屋敷解消など)
    → 行政や支援団体の力を借りて、「問題の深刻度」を下げる

心理的瑕疵は時間経過で評価が変わることもあり、
**「今すぐ売る」か「数年寝かせるか」**も選択肢です(税金・維持費とのバランスを要検討)。


実際どう動く?仲介NGと言われたときの現実的な進め方

ステップ① 「なぜ仲介NGなのか」を言語化してもらう

まず、断ってきた不動産会社に、

  • 「具体的に、どの点がネックになっているのか」
  • 「どの条件が変われば、仲介できる可能性があるのか」

を率直に聞いてみてください。

  • 価格の問題なのか
  • 権利関係なのか
  • 物理的条件なのか
  • 法律・行政上の制限なのか

原因が分かれば、
**「それは自分で解決できるのか」「専門家が必要か」**を判断しやすくなります。

ステップ② 2〜3社は必ずセカンドオピニオンを取る

1社に断られた=業界全体がNG、とは限りません。

  • 難しい物件ほど、「扱い慣れている会社」と「そうでない会社」の差が出る
  • 訳あり物件・地方・農地・再建築不可など、ニッチ専門の会社もある

ため、

  • 地元の中小
  • 大手
  • 訳あり・買取専門会社

のように、タイプの違う会社から2〜3社意見を聞くのがおすすめです。

ステップ③ 「売却以外」のゴールも一度テーブルに並べる

最初から「売る一択」で考えると行き詰まりやすいです。

  • 今は貸しておいて、数年後に売る
  • 一部だけ売って、残りは処分 or 国庫帰属検討
  • 共有者間で持ち分調整だけ先にやる
  • 親族間で使う人がいるなら、利用者に名義を集約する

など、「完全売却」以外のゴールも含めて
一度紙に書き出してみると、発想の幅が広がります。

ステップ④ 不動産+登記+税金を「セット」でシミュレーションする

  • 不動産会社:いくらで・どのくらいの期間で売れそうか
  • 司法書士:そのためにどんな登記・権利整理が必要か
  • 税理士:売った場合に税金がどの程度かかりそうか

を、それぞれざっくりでいいので聞き、

「・今すぐ売る
・権利整理してから売る
・貸してから売る
・売らずに手放す(帰属・寄付など)」

の4パターンくらいで、お金と手間と時間を比較してみると、
「一番マシな現実案」が見えてきます。


専門家コメント

ホームワーク株式会社 代表取締役(難あり不動産・相続不動産担当)

  • 再建築不可・地方空き家・農地・山林・借地権など、「仲介NG」になりがちな物件の相談を多数対応
  • 不動産会社・司法書士・税理士・弁護士と連携し、ワンストップでの出口戦略提案を実施

コメント

「『〇〇不動産に相談したら、仲介は難しいと言われて…』
というご相談は、本当に多いです。

現場の実感としては、

  • “通常の仲介”が難しい物件は確かに増えている
  • しかし、“不動産として完全に詰んでいる”ケースはそれほど多くない

というのが正直なところです。

多くの場合、

  • 価格
  • 権利関係
  • 法律・行政上の制限
  • 建物や土地の物理的な問題

のどれか/いくつかを一つずつ整理していけば、
『この条件なら買い手がつく』『この相手なら引き取ってくれる』
という落としどころが見えてきます。

大事なのは、

  1. 『仲介NG=もうダメだ』と決めつけて思考停止しないこと
  2. 不動産会社だけでなく、司法書士・税理士・役所なども巻き込みながら、
    “複数の出口案”を比較検討すること

です。

『どこまでお金と手間をかけて、どんな終わり方をさせたいか』は、
人それぞれ違います。
私たちとしては、その価値観も含めて整理しながら、
“現実的に取り得る最善の一手”を一緒に考える役割を担えればと思っています。」


よくある質問(FAQ)

Q1. 仲介を断られたら、もう売却は諦めるしかないですか?
A. いいえ。
買取・隣地売却・用途変更・権利整理後の再チャレンジなど、
別ルートで解決した事例は多くあります。
まずは「なぜ仲介NGなのか」を明確にしてから、次の手を考えましょう。

Q2. 1社に『難しい』と言われたら、他社に行っても同じですか?
A. そうとは限りません。
難しい物件ほど、会社ごとの経験・得意分野・リスク許容度の差が出ます。
タイプの違う2〜3社から意見を聞くことをおすすめします。

Q3. 「買取なら」と言われましたが、かなり安く感じます。妥当でしょうか?
A. 一般に、買取価格は想定仲介価格の6〜8割程度が目安です。
ただし、再建築不可・地方・訳ありなどではもっと低くなることも。
妥当かどうかは、

  • 想定仲介価格(売れるまでの期間)
  • 他の買取業者の提示額
    を比較して判断するのが現実的です。

Q4. 共有名義が原因で仲介を断られました。どうすればいいですか?
A. まず司法書士に相談し、

  • 誰がどの持分を持っているのか
  • 相続登記が必要か
  • 共有者を絞ることができるか
    を整理してもらいましょう。
    そのうえで、共有者間で「誰が代表して売るか」を決めるのが第一歩です。

Q5. 農地や山林で、地元の不動産会社に『扱えない』と言われました。
A. 農地は農業委員会・JA、
山林は森林組合・地元の林業事業者など、
不動産会社以外のプレーヤーが重要になる分野です。
まず市町村役場の担当課に相談し、
どこが窓口になり得るか教えてもらうと良いでしょう。

Q6. 事故物件で、仲介会社に難色を示されました。買取に出すしかないですか?
A. 専門の買取業者に相談するのは有力な選択肢の一つですが、

  • 賃貸に出して利回り商品として売る
  • 時間を置いて心理的抵抗が薄れるのを待つ
    など、複数の選択肢があります。
    条件・エリア・価格帯を踏まえて、業者と戦略を練るのが良いです。

Q7. 自分の物件が「仲介NGレベル」かどうか、どこで判断できますか?
A.

  • 具体的な理由を説明せずに「無理です」とだけ言われた
  • 他社も似た反応をする
    場合は、司法書士・役所など別ジャンルの専門家にも意見を聞いてみてください。
    「法律・登記の問題」「行政上の制限」など、
    不動産会社だけでは判断しづらい要素が潜んでいることがあります。

Q8. 仲介を断られた物件でも、相続放棄で手放せますか?
A. 相続放棄は「遺産全体」を対象とするもので、
特定の不動産だけを放棄することはできません。
また、相続放棄しても、他の相続人全員が放棄すれば
結局は国や自治体の管理問題に発展しうるなど、簡単な話ではありません。
「国庫帰属制度」など別制度も含めて、弁護士・司法書士に相談すべき内容です。

Q9. 相談の段階でお金をかけたくないのですが、どこまで無料でできますか?
A.

  • 不動産会社の相談・査定:基本無料
  • 市区町村の窓口:無料
  • 司法書士・税理士・弁護士の初回相談:30分〜1時間程度無料のケースも多い

無料枠で「方向性」をつかんだうえで、
本格的に動くところから有料相談に切り替えるのが現実的です。

Q10. まず何から始めればいいですか?
A.

  1. 仲介を断った不動産会社に、「なぜダメなのか」を具体的に聞く
  2. その内容をメモにまとめる(価格/権利/立地/法的制限など)
  3. そのメモと登記簿を持って、
    • 別の不動産会社(できれば2社以上)
    • 必要に応じて司法書士 or 役所窓口
      にセカンドオピニオンを求める

この3ステップだけでも、
「本当に行き止まりなのか」「別ルートがあるのか」がかなり見えてきます。

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