【結論】「更新=惰性で続ける」はNG|“この3ヶ月で不動産会社が何をしてくれたか”と“他社ならどう売るか”を比較して、データと提案内容で判断するのが安全
媒介契約(専任・専属専任)の更新前に、
- このまま同じ会社で続けていいのか
- 他社に切り替えた方がいいのか
- 一度売却自体をストップすべきか
迷うのはごく自然なことです。
更新のポイントは、
- この3ヶ月の「成果」と「動き」を数字で振り返る
- 不動産会社の提案が“ただの値下げ”になっていないかを見る
- 他社の意見(セカンドオピニオン)も聞いたうえで比較する
の3つです。
「まだ売れていない=この会社がダメ」とも限りませんが、
- 報告が少ない
- 戦略が見えない
- 値下げしか言わない
という状態で惰性更新するのはリスクが高めです。
媒介契約の基本と「更新前に考えるべきこと」
媒介契約の種類と更新サイクル
売却の依頼方法は主に3種類です。
- 専属専任媒介
- 専任媒介
- 一般媒介
専属専任・専任は、
- 契約期間:最長3ヶ月
- 満了前後に「更新するかどうか」を不動産会社と確認する
という流れが一般的です。
更新を迷う=専属専任・専任で3ヶ月前後やってきたタイミングというケースが多いでしょう。
「更新する前」に必ず振り返るべき5つのチェックポイント
① この3ヶ月で、どんな“数字の結果”が出たか
最低限、次を数字で出してもらいましょう。
- 内覧件数
- 問い合わせ件数(メール・電話)
- ポータルサイトの閲覧件数(PV・お気に入り登録数)
- 価格や条件の変更履歴
質問例
- 「この3ヶ月で、内覧は何組入りましたか?」
- 「ネット上の反響(アクセス数)はどのくらいでしたか?」
- 「他物件との比較で、どのくらい見られている位置づけですか?」
数字がゼロ〜極端に少ない場合は、
- 価格
- 写真・見せ方
- 情報量(間取り図やコメント)
など、何かを変える必要があります。
② 不動産会社が“具体的に何をしてきたか”
- どんな広告を打ったか(どのポータル・紙媒体・チラシ等)
- どんなターゲットを想定してPRしたか
- 内覧時にどんな工夫をしているか(案内方法・アピールポイント等)
単なる「やりました」ではなく、
**「どういう意図で・どの媒体に・どんな表現で」**を聞くのがポイントです。
③ 「値下げ以外の提案」があったか
売れないときに出てきやすいのが、
- 「そろそろ値下げしましょう」
の一言だけ、というパターンです。
もちろん値下げが有効なことも多いですが、
- 写真の差し替え・追加
- キャッチコピーやコメントの見直し
- クリーニングや簡易リフォーム、ホームステージング
- 販売ターゲット(実需・投資)の見直し
など、値下げ以外の打ち手も提案してくれているかが、その会社の「本気度」「引き出しの多さ」を見るポイントになります。
④ コミュニケーションの質(説明力・誠実さ)
- 問い合わせに対するレスポンスの早さ
- 素人にも分かる言葉で説明してくれるか
- メリットだけでなく、デメリット・リスクも話すか
- 「なぜ売れないのか」を一緒に分析してくれるか
更新すると「さらに3ヶ月はその担当者と付き合う」ことになります。
- 説明が雑
- 質問すると嫌な顔をする
- 「大丈夫です」「心配いりません」だけで根拠が薄い
と感じる場合、担当者 or 会社ごと変える候補に入れて良いサインです。
⑤ 市場環境と“売り出し条件”がズレていないか
- 同じマンション・近隣エリアの
- 新しい売出し物件の価格
- 成約事例
- 金利動向・買い手の動き(今は動きやすい時期かどうか)
を、担当者から共有してもらいます。
- 市場が全体的に鈍っているのか
- 自分の物件だけ高すぎる・条件が悪いのか
を切り分けることで、
- 「この条件でこの会社と続ける」のか
- 「条件を見直したうえで続ける」のか
- 「会社ごと変える」のか
を判断しやすくなります。
継続(更新)した方がよいケース・変えた方がよいケース
媒介契約を「継続した方がよい」と考えられるケース
- 数字(内覧数・反響)はそこそこあるが、最後の一押しが足りないだけ
- 報告がマメで、戦略や改善提案もしっかりしている
- こちらの疑問に対して、誠実に説明してくれている
- 市場環境的にも「売れづらい時期」だが、その中でベストを尽くしていそう
こうした場合は、
- 条件(価格や見せ方)を少し見直したうえで、もう1クール(3ヶ月)様子を見る
という選択も十分合理的です。
媒介会社・担当を「変更した方がよい」と考えられるケース
- 連絡・報告が少ない、またはほとんどない
- 「値下げしましょう」以外の提案がない
- 査定の根拠・戦略の説明があいまい
- 他社の話を聞いたら、明らかに戦略・提案のレベルが違う
- 信頼関係が壊れており、これ以上話し合いで改善できる気がしない
この場合は、更新前に
- 媒介契約書を確認(期間・実費精算の特約など)
- 解約の意思を伝える(メール・書面で残す)
- 他社と新たに媒介契約を結ぶ
という流れで切り替えるのが現実的です。
「仲介会社を変えるか」「担当者だけ変えるか」の判断
担当者だけ変えてもらう方がよいケース
- 会社としてのサービス内容や実績には魅力を感じている
- 物件・エリアの知識もそれなりにある
- ただし「今の担当者とだけ相性が悪い」と感じる
この場合は、
「会社は信頼しているが、担当者との相性が少し合わないので、
可能であれば別の方に引き継ぎをお願いしたい」
と、正直に依頼してみるのも一つの手です。
良い会社ほど、担当者変更の相談にはきちんと対応してくれます。
会社ごと変えるべきケース
- 会社として「囲い込み」気味で、他社への情報開示を渋る
- 手数料や費用の説明が不透明
- 会社全体の対応に不信感がある(受付や他部署とのやり取り含む)
この場合は、担当者を変えても本質は変わりにくいため、
別会社への切り替えを前提に考えた方がよいケースが多くなります。
更新前に「セカンドオピニオン」を取るメリット
更新を迷ったタイミングは、
他社の意見(セカンドオピニオン)を聞く絶好の機会
でもあります。
他社に聞くべきことの例
- 現在の売出価格は、相場から見てどうか
- 写真・間取り図・コメントなど、見せ方で改善余地はあるか
- 自社なら、どんな戦略・スケジュールで売りに出すか
- 手数料・費用条件はどのくらいか
これにより、
- 「今の会社でも悪くない/むしろ頑張っている」
- 「明らかに他社の方が戦略・提案力が上」
といった比較がしやすくなり、感情ではなく“情報”で判断できるようになります。
媒介契約を継続・変更するときの実務的な流れ
継続する場合
- この3ヶ月の振り返り(数字・動き・市場状況)
- 今後3ヶ月の具体的なプランを担当者と一緒に作る
- 価格をどうするか
- 広告方法を変えるか
- 写真・コメントの見直し
- 内覧対応の工夫 など
- 更新後の「報告頻度」「連絡手段」も確認しておく
切り替える場合
- 媒介契約書で「解除」と「費用負担」の規定を確認
- 現在の会社に、解約の意思を
- 電話+メール
- 可能なら書面(解約通知)
で伝える
- レインズ・ポータルサイトの掲載停止を確認
- 新しい会社と媒介契約を結び、
- これまでの反響状況
- 過去の価格変更履歴
などの情報を共有する
よくある質問(FAQ)
Q1. 媒介契約の更新は、必ずしなければいけませんか?
A. いいえ。
更新は義務ではありません。
- そのまま終了して売却を一旦やめる
- 別の会社と媒介契約を結ぶ
といった選択も可能です。
Q2. 更新を断ったら、仲介手数料を請求されることはありますか?
A. 売買契約(買主との契約)が成立していなければ、
仲介手数料(成功報酬)は原則発生しません。
ただし、媒介契約書で広告実費などの負担を定めている場合は、
その範囲で費用請求される可能性があります。
Q3. 更新か切り替えか迷っています。他社に相談しても失礼になりませんか?
A. 失礼にはなりません。
高額資産の売却ですから、複数社の意見を聞くのは自然な判断プロセスです。
ただし、現在の会社と専任媒介中であれば、
他社と「実際に販売を進める」ことは契約上できない点には注意が必要です。
Q4. 更新した後に、途中でやっぱり解約しても大丈夫ですか?
A. 可能です。
媒介契約は、更新後であっても売主の意思で途中解約できます。
契約書の「途中解約時の条件(実費精算など)」だけは事前に確認してください。
Q5. 担当者の変更だけお願いするのはアリですか?
A. アリです。
むしろ、会社自体を信用しているなら、
- まず担当者変更
を申し出るのが良い選択肢です。
それでも改善が見られなければ、会社ごと変更を検討すればOKです。
Q6. まず何から始めれば、更新で失敗しにくくなりますか?
A.
- この3ヶ月の「数字」(内覧数・反響・価格変更)を担当者から出してもらう
- その数字に対して「どんな打ち手をしてきたか」「これから何をするか」を聞く
- 不安が残るようなら、1〜2社にセカンドオピニオンを求め、
今の売り方の評価と代替案を聞いてみる
この3ステップを踏めば、「なんとなく更新」や「感情的な乗り換え」を避け、
納得感のある判断がしやすくなります。
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