【結論】担保評価が低くても「売却は可能」。ただし“銀行の見方”を理解して価格・買主・売り方を設計しないと、売れ残りや安売りになりやすい
「担保評価が低い」と言われた物件でも、
売却そのものは十分に可能です。
ただし、
- 購入希望者が住宅ローンを利用しにくい
- 買主の自己資金負担が増え、買える人が限られる
- 不動産会社に「売りにくい物件」と判断されやすい
といったハードルがあるため、
普通の物件と同じ感覚で売り出すと「全然反響が来ない」「結局かなり安く手放すハメに…」
という流れになりがちです。
ポイントは、
- なぜ「担保評価が低い」のか、原因を分解して把握する
- 金融機関がどこを見ているのかを理解し、「融資が出やすい売り方」を考える
- ローン頼みにならない買主ターゲット(投資家・自己資金が多い層)も視野に入れる
ことです。
以下で、リフォーム・再生を得意とするホームワーク株式会社の視点から、
担保評価が低い物件の「現実」と「売却のコツ」を具体的に解説します。
そもそも「担保評価が低い」とはどういう状態か
担保評価=金融機関が「いくらまで貸しても良い」と見る目安
銀行などが不動産を担保にお金を貸すとき、
その物件を独自の基準で評価し、
- 「この物件なら〇〇万円までは貸しても良い」
というラインを決めます。これが「担保評価」です。
重要なのは、
- 市場価格(実際に売れそうな価格)
- 担保評価(銀行が貸し出しの前提とする評価額)
は必ずしも一致しない、という点です。
「担保評価が低い」物件の典型パターン
金融機関の担保評価は低くなりがちなケースには、次のようなものがあります。
- 再建築不可物件(接道条件を満たしていないなど)
- 借地権付き建物・底地のみ・地上権など権利関係が複雑
- 私道持分がない、通路が狭すぎる、高低差が大きい など「流通しにくい土地」
- 築年数の古い木造・旧耐震基準のマンション
- 商業地域・工業地域の中の住居系物件(住宅ローンの担保としては評価しづらい)
- 事故物件・違反建築の疑いがある物件 など
こうした物件は、
「万が一、銀行が競売にかけても売却しづらい」=「貸す側のリスクが高い」
と見なされやすく、担保評価が抑えられます。
金融機関はどこを見て「担保評価」を決めているのか
① 土地の条件(最重要)
多くの銀行は、建物よりも「土地」を重視します。
- 公道・私道との接道状況(間口の広さ・接道長さ・道路幅)
- 用途地域(第一種低層/商業/工業など)
- 建ぺい率・容積率
- 形状(整形地/旗竿地/極端な三角地など)
- 高低差(崖地・擁壁の有無)
【ポイント】
- 「再建築可能かどうか」
- 「一般の買い手にとって使いやすい土地か」
ここが担保評価を左右する最大要因です。
② 建物の条件(構造・築年数・耐震性)
建物は、以下のような観点で見られます。
- 構造(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など)
- 築年数(法定耐用年数に対してどの程度残っているか)
- 新耐震基準か旧耐震基準か(1981年6月以前の建築確認は旧耐震の可能性大)
- 違反建築の疑い(建ぺい率・容積率オーバーなど)
一般的には、
- 木造:耐用年数が短め → 経年で担保評価は低下しやすい
- RC造マンション:耐用年数が長め → 古くても土地値+αで評価されることがある
といった傾向があります。
③ 権利関係・法的リスク
- 所有権ではなく借地権
- 共有名義が多い
- 未登記建物・増築未登記
- 抵当権・差押え・地役権などの権利が複雑
- 越境・境界未確定・通行権のトラブル など
権利関係が複雑な物件は、
- いざ処分する際に時間・コストがかかる
- 売却自体がスムーズにいかないリスクがある
ため、担保評価が抑えられがちです。
担保評価が低い物件は「本当に売却できる」のか?
結論:売却はできるが、「ローン前提の普通の買主」だけを当てにしない方が良い
担保評価が低い物件の売却で問題になるのは、
- 買主が利用できる住宅ローンの額が少なくなる
- 場合によっては、ローン自体が組めない
という点です。
【よくあるパターン】
- 物件価格:2,000万円
- 金融機関の担保評価:1,200〜1,400万円程度
- → ローン上限が1,200〜1,400万円前後になり、
「フルローンで2,000万円借りたい」人は購入できない
この結果、
- 自己資金が少ない一般層 → 購入が難しい
- 自己資金が厚い人か、投資家・事業者 → 購入が可能
という構図になり、買主候補の母数が減るという問題が出ます。
担保評価が低い物件の「売却戦略」を考える3つの軸
① 想定する買主層を変える
「ふつうのマイホーム購入者+住宅ローン」という王道ルートだけに頼らず、
- 現金比率が高い投資家
- セカンドハウス・別宅ニーズのある層
- 事務所・倉庫・店舗など事業用途で検討する層
- 親からの贈与・援助が期待できる若年層
などをターゲットに含めることで、
“担保評価が低い=ローンが付きにくい”という弱点を相対化できます。
【例】
- 再建築不可の戸建て → 住宅ローン利用者ではなく、
「現金買いの投資家+賃貸運用」へアプローチ - 古い長屋・テラスハウス → 事務所・アトリエ・倉庫用途を想定
② 価格設定と情報開示で「納得感」を作る
担保評価が低い物件は、
「なぜこの価格なのか」を納得してもらえるかどうかが極めて重要です。
- 通常相場との比較(◯%くらい低い・高い)
- 担保評価が低い理由の説明(接道・再建築不可・築年数など)
- 活用のシミュレーション(賃料・利回り・事業用途での収益イメージ)
これらをセットで提示することで、
- 「リスクはあるが、その分価格に織り込まれている」と感じてもらう
- “安さだけ”でなく、“使い方”や“将来像”で判断してもらう
という方向に話を持っていきやすくなります。
③ リフォーム・用途変更で“評価の軸”をズラす
担保評価(=銀行目線)ではなく、
- 実際の利用価値
- 収益性(賃貸・事業用)
に焦点を移せれば、
「銀行評価が低い=価値がない」ではなくなります。
ホームワーク株式会社では、
- 必要最低限のリフォームで賃貸に出せる状態にする
- 住居→事務所・店舗・シェアスペースなどに用途変更する
- 自社や提携業者で買取り→フルリノベ→収益物件として再販
といった「再生+出口変更」のプランを前提に、
売主にとっての手取り最大化を一緒に検討しています。
ケース別:担保評価が低いと言われがちな物件の売り方
ケース① 再建築不可物件(接道条件NG)
【特徴】
- 道路に2m以上接していない
- 位置指定道路・私道・二項道路など、法的な道路要件を満たしていない
【金融機関の見方】
- 「建て替えができない=将来の流通性が低い」
- 住宅ローンNG or 融資額がかなり抑えられる
【売却の方向性】
- 「土地値+古家の賃貸収益」の視点で投資家向けにアピール
- 再建築不可でも、現状建物のリフォームで10〜20年使えることを示す
- “激安マイホーム”を探している現金比率の高い個人も候補
ケース② 借地権付き建物・底地
【特徴】
- 土地は地主のもので、建物だけ所有
- 地代・更新料・借地契約条件などが絡む
【金融機関の見方】
- 「所有権より換金性が低い」
- 担保評価をかなり抑えて算定する
【売却の方向性】
- 借地契約の内容を整理し、「条件がクリアな借地」として投資家へ
- 地主との交渉で、借地権+底地の一括売却を検討するケースも
- 「土地を買い取って所有権化できる可能性」があれば、その余地を説明材料に
ケース③ 古い木造・旧耐震マンション
【特徴】
- 築40〜50年以上
- 旧耐震基準(1981年以前)の可能性
- 建物としての法定耐用年数が残り少ない
【金融機関の見方】
- 担保評価は「ほぼ土地値」または「土地値以下」に
- 住宅ローンは出る場合もあるが、条件がシビアになることも
【売却の方向性】
- 実需(マイホーム)層には価格を下げてでもアプローチしたいのか
- それとも投資家・事業者層に絞って、賃貸利回りを前面に出すのか
- 場合によっては、「売らずに自ら賃貸運用」を選んだ方が得なこともある
ホームワーク株式会社が関わった事例(概要)
※プライバシー保護のため内容は一部加工しています。
事例①:担保評価が土地値以下と言われた古家(首都圏郊外)
- 状況
- 築40年超の木造戸建
- 接道が狭く、再建築は可能だが条件が悪い
- 金融機関から「担保評価は土地値以下」と言われた
【対応】
- 現地調査で構造・劣化状況をチェック
- 大規模リフォームで10年以上の延命は可能と判断
- 2パターンでシミュレーション
- 現状で土地値+古家として売却
- リフォーム後、賃貸物件として保有 or 投資家に売却
- 投資家向けに「リフォーム後の想定賃料・利回り」を提示
【結果】
- 投資家が「自己資金多め+一部ローン」で購入
- 売主は「更地売却より高い価格」での売却に成功
事例②:旧耐震・担保評価が低い区分マンション(都内)
- 状況
- 1970年代築のワンルームマンション
- 駅近だが旧耐震で、小規模マンション
- 銀行からは「担保評価が低く、融資条件は厳しめ」との説明
【対応】
- 室内をフルリノベーションし、賃貸需要を高める
- 「家賃◯万円・表面利回り◯%」という収益条件を前面に出して販売
- 住宅ローンではなく、アパートローン・プロパーローンを利用できる投資家をターゲットに
【結果】
- 実需層向けには売りにくかった物件を、
投資商品として約2ヶ月で成約 - 担保評価の低さを「利回り」で補う形で、納得感のある価格帯に着地
専門家コメント(ホームワーク株式会社)
ホームワーク株式会社
(相続不動産・空き家・再建築不可・借地・事故物件など、訳あり不動産の再生を多数手がけるリフォーム会社)
「『銀行の担保評価が低いと言われた』
『住宅ローンが付きにくい物件だと不動産会社に言われた』
この段階で、『もう売れないのでは…』と感じてしまう方はとても多いです。
私たちの経験上、
- “銀行から見た安全ライン”としての担保評価
と - “実際に市場で売れる価格・価値”
は、必ずしも同じではありません。
大事なのは、
- なぜ担保評価が低いのか(接道・権利・築年数・用途など)をきちんと分解すること
- 住宅ローン頼みの一般ユーザー以外に、どんな買主候補がいるかを考えること
- リフォーム・用途変更・賃貸運用など、“評価の軸をズラす方法”を検討すること
です。
ホームワーク株式会社では、
- 建物と土地の現状診断
- 再生・リフォームの方向性の提示
- 不動産会社・金融機関とも連携した出口戦略の検討
を通じて、
『担保評価が低い=詰み』ではなく、
『どういう売り方なら価値を出せるか』を一緒に考えていきます。
“担保評価が低い”と言われて不安になった段階こそ、
早めに現状整理とシミュレーションをしておく価値が高いタイミングです。」
よくある質問(FAQ)
Q1. 担保評価が低いと言われたら、売却はあきらめるべきですか?
A. あきらめる必要はありません。
銀行の担保評価は「貸す側の安全基準」であって、
市場での売却可能性とは別物です。
ただし、買主ターゲットや売り方を工夫する必要はあります。
Q2. 担保評価と実際の売却価格は、普通どちらが高いのですか?
A. ケースによりますが、
- 銀行の担保評価:やや保守的な数字になりやすい
- 実際の売却価格:エリアの需要次第で、担保評価より高くなることも多い
という傾向があります。
Q3. 担保評価が低い物件でも、住宅ローンは全く使えませんか?
A. 完全にNGとは限りません。
金融機関ごとに基準が違うため、
- 銀行A:厳しい
- 銀行B:条件付きでOK
ということもあります。
ただし、フルローンは難しく、自己資金が多めに必要になるケースがほとんどです。
Q4. 担保評価を上げる方法はありますか?
A. 建物のリフォームだけで担保評価が大きく上がることは多くありませんが、
- 違反の是正・未登記部分の登記
- 境界確定・越境の解消
など、「法的・権利的なリスクを減らす」ことで評価が改善する余地はあります。
ただし費用対効果の検証が必須です。
Q5. 再建築不可物件は、ほとんどの銀行で担保評価がゼロですか?
A. 「ゼロ」とまでは限りませんが、非常に低く見積もられるのが一般的です。
そのため、住宅ローンは難しく、
- 現金比率の高い投資家
- プロパーローンを利用できる事業者
などを主なターゲットにするのが現実的です。
Q6. 担保評価が低いと言われた段階で、まず何をすべきですか?
A. いきなり価格を下げる前に、
- なぜ低いのか(接道・用途・築年数・権利など)理由を確認
- 建物・土地の現状を、リフォーム会社や専門家に見てもらう
- 売る・貸す・保有する、それぞれのシミュレーションを取る
ことをおすすめします。
この整理ができると、「どこまでがリスクで、どこからがチャンスか」が見えてきます。
Q7. ホームワーク株式会社には、どんな情報を持って相談すればいいですか?
A. 次の3つが分かれば十分です。
- 物件の所在地と種類(戸建て/マンション/土地など)
- 銀行や不動産会社から言われた「担保評価が低い理由」(分かる範囲で)
- 売却・賃貸・保有のどれを今のところ考えているか
それをもとに、
- 建物・土地の現状確認
- 再生リフォームの可能性
- 買主ターゲットと売却戦略
を一緒に組み立てていくことができます。
「担保評価が低いから無理だ」と結論を出してしまう前に、
ぜひ一度、“別の視点からの見立て”を取ってみてください。
千代田区で不動産売却をご検討の方へ
不動産売却は、
流れを理解したうえで進めることで
不安と失敗を大きく減らせます。
ホームワークでは、
千代田区の不動産売却について、
準備段階から引き渡しまで
一貫してサポートしています。【お問い合わせ窓口】
ホームワーク株式会社
〒154-0004 東京都世田谷区太子堂四丁目27番7号
ホームグラウンド三軒茶屋
お電話:03-6407-0093
お問合せフォームはこちら
https://www.home-work.co.jp/
