地方で空室率が高い物件は売れる?需要と出口戦略の考え方

ポイント

【結論】「空室率が高い地方物件」も売却は可能。ただし“需要の棚卸し+出口の設計”をしないと、投げ売りか売れ残りになりやすい

地方で空室率が高いアパート・マンション・戸建て賃貸でも、
売却自体は十分に可能です。

ただし、

  • 「とりあえず相場っぽい価格で出す」
  • 「現状のまま普通のマイホーム層や投資家に広くアピールする」

といった“なんとなくの売り方”をすると、

  • 問い合わせがほとんど来ない
  • 来ても「空室リスク」を理由に大幅な値引きを求められる
  • 結局「安い買取」に応じるしかなくなる

というパターンになりやすくなります。

空室率が高い地方物件で大事なのは、

  1. 「なぜ空室率が高いのか」を、エリア要因・物件要因に分解して把握する
  2. 「誰に」「何の用途で」売るのが現実的か、買主ターゲットを先に決める
  3. そのうえで、現状売却/リフォーム再生/賃貸実績づくりなど、出口戦略を設計する

ことです。

ホームワーク株式会社では、
地方の空室率が高い物件についても、

  • 建物の再生可能性
  • 賃貸需要の残り具合
  • 売却・再生・保有のシミュレーション

を通じて、「売れるか・どう売るか」を一緒に組み立てています。

以下で、地方の空室率が高い物件が
現実にどこまで売れるのか、どう考えれば“損しない出口”を作れるのかを解説します。


目次

なぜ地方の空室率が高い物件は“売れにくい”と言われるのか

エリア要因と物件要因がごちゃ混ぜにされがちだから

多くの不動産会社は、

  • 「このエリア、今空室多いですよ」
  • 「人口も減っていますし、正直買う人は限られますね」

という“ざっくりした印象”で語ることが少なくありません。

ただ、空室率が高い理由は大きく分けて2つあります。

  • エリア要因:
    人口減少・賃貸需要そのものの縮小・新築供給過多 など
  • 物件要因:
    古さ・間取り・設備・管理状態・賃料設定・募集姿勢 など

この2つを切り分けないまま「地方だから空室が多い」でまとめてしまうと、

  • 本当は“物件を直せば埋まる”ケースまで「売れない物件」に見える
  • 逆に、“エリア需要が消えかけている”のに、無駄にリフォームしてしまう

という判断ミスが起きます。

投資家目線だと「空室の理由」が何より気になるから

地方の収益物件を買う投資家は、
都心よりもシビアに次の点を見ています。

  • 直近の入居状況(何戸中何戸が埋まっているか)
  • 空室が増えたタイミング(コロナ以降か、それ以前からか)
  • 競合物件の量と質(近くに新築アパート・戸建賃貸が増えていないか)
  • 賃料を下げれば埋まりそうなのか、それでも難しそうなのか

つまり、

  • 「なんとなく空室が多い物件」
    よりも、
  • 「なぜ空室なのか」「どこまで改善余地があるのか」が分かる物件

のほうが、買われやすく・価格もつきやすいのです。


まず整理すべき「空室率が高い理由」チェックリスト

売るかどうかを考える前に、
次の観点で“現状の棚卸し”をしてみてください。

1. エリア(立地)に関するチェック

  • 最寄り駅・バス停までの距離
  • 近年の人口推移(市区町村全体/エリア内)
  • 近隣の大型雇用先(工場・病院・大学・ショッピングセンターなど)の動き
  • 競合物件(新築アパート・戸建て賃貸・分譲中古マンション)の増減

【ポイント】

  • 「街全体が縮小している」のか
  • 「エリアはそこそこでも、自分の物件が埋まっていない」のか

ここを分けて考えると、
「再生価値があるか」の見通しがつきやすくなります。

2. 建物・設備に関するチェック

  • 築年数・構造(木造・RC・鉄骨など)
  • 外観・共用部(廊下・階段・駐車場など)の印象
  • 室内設備(風呂・トイレ別か、キッチン・エアコン・洗面台のグレードなど)
  • 駐車場の有無・台数・使いやすさ(地方では特に重要)

【よくある“物件要因”】

  • 地方なのに駐車場がない/狭い/停めにくい
  • 周辺は対面キッチン・広めのLDKなのに、自物件だけ和室中心の古い間取り
  • 外観が暗く、築年数以上に“古びたイメージ”を与えている

こうした点は、リフォームやプラン変更で改善できる余地があります。

3. 賃料・条件に関するチェック

  • 同じエリアの競合より高く設定していないか
  • 敷金・礼金・更新料などの条件は、需要に合っているか
  • 募集時の広告(写真・間取り・コメント)の質

「あと3,000円〜5,000円下げればすぐ埋まるのに、
高値を維持して空室が続いている」ケースも見られます。

投資としては、

  • 賃料を少し下げて“満室近くで回す”
  • 高賃料維持だが“空室リスクが高いまま回す”

どちらが10年トータルで得か、数字で比較することが重要です。

4. 管理・運営面のチェック

  • 管理会社の反応速度(問い合わせ・トラブル対応)
  • 募集を出しているポータルサイトの数・内容
  • 物件の清掃頻度・共用灯の切れ・ゴミ置場の状態

地方ほど、

  • 管理会社が「なんとなく」の運営をしている
  • オーナーも遠方で現場を見れていない

ということが起こりやすく、
結果として“空室が当たり前”状態が続いてしまうことがあります。


「空室率が高い地方物件」はどんな買主に売れるのか

売却を考えるとき、
**最初に考えるべきは「誰に売るか」**です。

ターゲット① 地方・築古に慣れた投資家

  • 地方高利回り物件を中心に運用している個人投資家
  • 自らDIYやリフォームの手配ができる人
  • 現金比率が高く、銀行評価に頼り切らない層

【この層が見るポイント】

  • リフォーム後に見込める家賃水準
  • 必要な初期投資額と、10年トータルの利回り
  • すでにある程度の入居実績(満室でなくても良い)

→ 空室率が高くても、
「どこを直せばどのくらい埋まりそうか」を示せれば、
購入検討の土台に乗りやすくなります。

ターゲット② 地元の事業者(社宅・社屋・倉庫など)

  • 工務店・運送業・介護事業者・建設業者など
  • 社宅・寮・事務所・倉庫・スタッフ用住居として使いたいニーズ

【この層が見るポイント】

  • 駐車場の台数・トラックの出入りのしやすさ
  • 1室あたりの広さよりも「建物全体としての使い勝手」
  • 賃貸ではなく“自社持ち”に切り替える時のコスト感

→ 賃貸住宅としては埋まりにくい物件でも、
用途次第で“価値の見え方”が変わることがあります。

ターゲット③ 自ら住みながら一部を貸したい個人

  • 地方への移住者・二拠点生活をしたい層
  • 1〜2戸を自分で使い、残りを貸すイメージ

【この層が見るポイント】

  • 自分の生活環境としての住みやすさ
  • すべてを満室にすることより、「自分が心地よく住めるか」
  • リフォーム後のイメージと費用

→ 全室を“ガチ投資”として見る投資家とは、評価軸が違います。


売却前に検討したい3つの出口戦略

戦略① 現状のまま「空室リスクを織り込んだ価格」で売る

【概要】

  • 大きなリフォームはせず、「現状渡し+安め」の価格で売却
  • 投資家が“自ら再生する前提”で購入する

【メリット】

  • 初期費用がかからない
  • 売却までのスピードを重視できる
  • 売却後の修繕・運営リスクから完全に解放される

【デメリット】

  • 価格はどうしても抑えられやすい
  • 投資家から「リフォーム費用+空室リスク」を強くディスカウントされる

【向いているケース】

  • 資金や時間の都合で、自分で再生するのは難しい
  • エリア需要が明らかに落ちており、強い巻き返しは見込みづらい
  • 相続・老後などの事情で、早めに不動産を整理したい

戦略② 「最低限の再生」+「ある程度の入居実績」をつくってから売る

【概要】

  • 共用部・外観・空室の一部だけでもリフォーム
  • 賃料を調整しつつ、可能な限り入居を増やしてから売却に出す

【メリット】

  • 「ボロボロ・ガラガラ物件」扱いを避けられる
  • 投資家にとって「収支イメージが描きやすい」物件になる
  • 価格とスピードのバランスが取りやすい

【デメリット】

  • 先にリフォーム費用がかかる
  • 入居付けの期間分、売却まで時間がかかる

【向いているケース】

  • 入居率が低いものの、募集を工夫すれば十分埋まる見込みがある
  • エリア自体の賃貸需要はまだある
  • 2〜3年のスパンで出口戦略を考えたい

ホームワーク株式会社がよくご提案するのがこのパターンです。
「何もしない売却」と「フルリノベ」の中間で、
もっとも費用対効果が良くなることが多いです。

戦略③ 一度“自分で再生してから長期保有 or 売却”を目指す

【概要】

  • しっかりとしたリノベーション・コンセプト変更を行う
  • 自ら賃貸運営して「安定稼働」させたうえで、将来売却を検討

【メリット】

  • 賃料アップ・入居率改善でキャッシュフローの改善が期待できる
  • 売却時に「安定収益物件」として、より高い価格を狙える
  • うまくいけば、“売らずに持ち続ける”選択肢も残せる

【デメリット】

  • 初期投資が大きい
  • エリアの需要見立てを間違えると、投資回収が難しくなる
  • オーナー側にも、ある程度の運営力が求められる

【向いているケース】

  • まだエリアに明確な需要がある(大学・企業・病院など)
  • 自身が不動産投資・運営に前向き
  • 長期目線で資産形成を考えている

ホームワーク株式会社が関わった「空室率が高い地方物件」事例(要約)

※プライバシー保護のため、一部内容を加工しています。

事例①:入居率40%台の地方アパートを「再生+売却」できたケース

  • 物件:地方都市 郊外/木造アパート 10戸/築30年
  • 状況:
    • 入居4戸/空室6戸(入居率40%)
    • 外観・共用部が暗く、駐車場のラインも消えかけ
    • 近隣には新築アパートも増えており、募集苦戦中

【対応】

  1. 現地調査・競合分析
    • エリア自体の需要はまだある(近くに工場・学校あり)
    • 自物件だけが“見た目”と“設備”で大きく見劣りしていると判明
  2. 最低限の再生プランを提案
    • 外壁塗装+共用部照明・駐車場ラインの復旧
    • 空室3戸のみ、内装リフォーム+設備入替
    • 予算は約350万円に抑える
  3. リフォーム後、賃料少し調整+写真・募集方法を見直し

【結果】

  • 約1年で入居8戸まで改善(80%)
  • 実質利回りが上がり、投資家からの反応も増加
  • 「再生後+稼働改善済み物件」として、
    当初査定より約10%高い価格で売却に成功

事例②:人口減少が進むエリアの“ガラ空き物件”を「現状売却」で手放したケース

  • 物件:地方郡部/アパート8戸/築35年
  • 状況:
    • 入居1戸/空室7戸(ほぼガラ空き)
    • 周辺のアパートも空室が目立つ
    • 近隣にあった大きな工場が数年前に閉鎖

【対応】

  1. エリア調査
    • 人口減少が顕著
    • 新たな雇用・需要源の計画も見当たらない
      → 「再生しても満室近くまで戻すのはかなり難しい」と判断
  2. 「現状売却+割安価格」で投資家をターゲット
    • 解体前提・土地活用を見込む地元業者
    • DIY・用途変更前提の個人
  3. 数社から買取価格を取得し比較

【結果】

  • 自力再生はリスクが大きいと判断し、
    最も条件の良い買取業者に「現状のまま」売却
  • ローン残債を完済し、わずかではあるが現金も手元に確保
  • 今後の修繕・空室リスクから完全に解放され、
    資金を他の資産形成に回すことを選択

専門家コメント(ホームワーク株式会社)

ホームワーク株式会社
(地方の空室率が高い物件や老朽化物件の再生・売却サポートを多数手がけるリフォーム会社)

「『地方で空室が多いんですけど、こんな物件でも売れますか?』
というご相談は、とてもよくいただきます。

まずお伝えしたいのは、

  • 空室率が高い=即「売れない物件」ではない
  • ただし、“何も考えずにそのまま売る”のが一番もったいない

ということです。

私たちが現場で重視しているのは、

  1. 空室率が高い“本当の理由”を、エリア要因と物件要因に分けて整理すること
  2. そのうえで、「誰に」「どんな用途で」売るのが現実的かを決めること
  3. 現状売却・最低限の再生・しっかりリノベの複数パターンを、数字で比較すること

です。

空室の多い物件ほど、

  • 見た目の印象
  • 募集の仕方
  • 間取りや設備の一工夫

で結果が変わる余地が残っていることも多く、
逆に、“街ごと沈み始めている”ケースでは、
早めに出口を取ること自体が最大の防御になることもあります。

『空室が多くて気持ちが萎えてしまった』という段階こそ、
実は“冷静に戦略を立てるべきタイミング”です。
ホームワーク株式会社では、
再生・賃貸・売却のどれか一つに誘導するのではなく、
オーナー様の状況に合わせて最適に近い選択肢を一緒に探していきます。」


よくある質問(FAQ)

Q1. 空室だらけの地方アパートでも、本当に売れますか?
A. エリアや条件にもよりますが、「買い手が全くいない」というケースは稀です。
ただし、

  • 価格
  • 買主ターゲット(ほぼ投資家)
  • 現状渡しか、ある程度再生してから売るか
    を戦略的に決める必要があります。

Q2. 先に満室近くまで埋めてから売ったほうが、高く売れますか?
A. 基本的にはその通りですが、

  • 募集にどれだけ時間と費用がかかるか
  • エリア需要が本当にそこまであるか
    によって変わります。
    「満室を目指す」のではなく、
    「いくら投資して、どこまで埋めれば、どのくらい高く売れそうか」を
    シミュレーションしたうえで判断するのが安全です。

Q3. 空室率が高いことは、買主にどこまで説明しなければいけませんか?
A. 直近の入居状況や賃料・退去理由など、
投資判断に影響する情報は、基本的に開示するべきです。
隠して売却すると、後から「聞いていなかった」と
トラブルになるリスクがあります。

Q4. リフォームにお金をかけても、地方だと回収できないのでは?
A. 可能性はゼロではありませんが、

  • リフォームの内容を“入居決定に効くポイント”に絞る
  • 家賃アップだけでなく、空室期間短縮・売却価格アップも含めて回収を考える
    ことで、十分ペイするケースもあります。
    逆に「フルリノベ前提」で考えると、地方ではオーバースペックになることが多いです。

Q5. ローンが残っている状態で、空室の多い物件を売っても大丈夫ですか?
A. 売却価格とローン残高の差次第です。

  • 売却価格 > ローン残高 → 差額が手元に残る
  • 売却価格 < ローン残高 → 不足分を自己資金などで補う必要
    となります。
    まずは「現状・再生後それぞれで、いくらなら売れそうか」を
    把握することが重要です。

Q6. 「持ち続けるか売るか」まだ全然決めきれていません。そんな段階で相談してもいいですか?
A. 問題ありません。むしろその段階での相談が一番意味があります。

  • 現状の収支
  • 10年持ち続けた場合のシミュレーション
  • 今売った場合・再生後に売った場合のシミュレーション
    を比較することで、
    “どの選択肢が一番納得できるか”を一緒に整理していくことができます。

Q7. ホームワーク株式会社に相談する場合、何を伝えればいいですか?
A. 次の3点が分かれば十分です。

  1. 物件の所在地と種類・戸数(例:◯県◯市/木造アパート8戸)
  2. 現在の入居状況(何戸入居・何戸空室・賃料の目安)
  3. ローン残高と、「いつまでにどうしたいか」というざっくりした希望

この情報をもとに、

  • 建物の状態チェック
  • エリア需要と競合状況の確認
  • 「現状売却/最低限再生/しっかり再生」の3パターン比較
    を行い、空室率が高い物件の“現実的な出口戦略”を一緒に考えていきます。

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