通行・掘削承諾が取れない不動産は売れるのか?

電卓

【結論】通行・掘削承諾が取れない不動産も「売れる」が、そのままでは大きく評価減。権利関係の“見える化”と活用プラン次第で価値は変わる

隣地や道路所有者からの

  • 通行承諾(通行地役権・通路使用承諾)
  • 掘削承諾(上下水道・ガスなどの埋設工事のための承諾)

が取れていない不動産は、

  • 車が入れない・工事車両が入れない
  • 給排水・ガスの新設ややり替えがしづらい
  • 将来的な建替えや大規模リフォームに制約がある

といった問題を抱えています。

その結果、

  • 一般のエンドユーザー(自分で住みたい人)には非常に売りにくい
  • 金額も「普通の土地・建物」より大きく下がりやすい

というのが現実です。

ただし、

  • 現状でどこまで通行・掘削が事実上できているのか
  • 過去の経緯・書面・慣行がどうなっているか
  • 建替えを前提にしない活用方法が取れるか

を整理し、
ターゲット(誰に売るか)と活用プランを設計すれば、

  • 「ゼロ評価」とまではいかない
  • 条件次第で、専門投資家や買取再生業者に十分売却可能

というケースも多くあります。

以下で、

  • なぜ通行・掘削承諾がないと売却が難しくなるのか
  • どのような物件が「問題になりやすい」のか
  • リフォーム・再生を得意とするホームワーク株式会社が現場で行っている
    「整理のステップ」と「売却・活用パターン」

を解説します。


目次

通行・掘削承諾とは何か?売却にどう関係するのか

通行承諾(通行地役権など)の基本

家に出入りするために、

  • 自分の敷地だけでは道路に出られない
  • 私道や隣地を通らないと出入りできない

というケースでは、法的には

  • 通行地役権(登記された強い権利)
  • 通行承諾書(私道所有者との契約・合意書)

などで「通る権利」を確保しておくのが望ましいとされています。

これがない場合、

  • 今は“慣習”として通らせてもらえているが、
    将来、所有者が変わったときに拒否されるかもしれない
  • 金融機関が担保評価を厳しくし、ローンが付きづらい

という不安材料になります。

掘削承諾の基本(ライフラインの埋設工事)

給排水管・ガス管・電気配管などを

  • 私道や隣地の地下に埋設・交換したい
  • 道路や私道を掘り返して工事したい

といった場合、その土地の所有者から

  • 掘削承諾書(道路掘削承諾、私道掘削承諾)

を取るのが一般的です。

これが取れないと、

  • 水道管の新設・引き直しができない
  • 下水道に接続できない
  • ガスを引き込めない

など、生活インフラに直結する問題が生じる可能性があります。


通行・掘削承諾が取れない物件が「売りにくい」主な理由

理由1:金融機関の住宅ローンが付きにくい

買主が住宅ローンを利用する場合、
金融機関は担保としての不動産価値を厳しく見ます。

  • 道路に接していない(再建築不可・建築制限)
  • 通行権があいまいで、将来通れなくなるリスクがある
  • 掘削できず、建替えやライフライン工事に支障が出る恐れがある

といった要素は、

  • 「担保価値が低い」
  • 「将来売却・処分が難しい」

と判断され、
ローン審査で厳しく評価されます。

結果として、

  • 現金で買える人や、リスクを理解した一部の投資家にしか売れない
  • 一般のエンドユーザー(ローン利用が前提)は候補から外れがち

という状況になります。

理由2:建替え・大規模リフォームの自由度が低い

  • 今は古家付きだが、将来建替えたい
  • 間取りを大きく変える・増築したい
  • ライフラインを更新したい

といったタイミングで、

  • 重機や工事車両が入れない
  • 建築資材の搬入ルートが確保できない
  • 掘削が認められず、水道・下水・ガスの引き直しができない

となる可能性がある物件は、

  • 将来の利用価値
  • 資産としての“伸びしろ”

が大きく制限されます。

買主からすると、

  • 「今の建物のまま使う」以外の選択肢が取りづらい
  • 大規模なリフォーム・建替えが難しい=出口の選択肢が少ない

ため、どうしても慎重にならざるを得ません。

理由3:権利関係が分かりづらく、トラブルリスクが読めない

現場でよくあるのが、

  • 口頭では「昔から通っていいと言われている」
  • 「前の所有者の頃から当たり前に掘削していた」

といった“慣習ベース”だけで、書面が残っていないケースです。

買主は、

  • その慣習が将来も続く保証があるのか
  • 私道・隣地の所有者が代わったときはどうなるのか
  • すでに他の相続人・共有者との間でトラブルがないか

を知ることができません。

見えないリスクは、「最悪ケース」を想定して評価せざるを得ないため、

  • 価格をかなり下げないと購入に踏み切れない
  • そもそも検討に乗せない投資家・実需層も多い

という悪循環になります。


どんな物件が「通行・掘削問題」で要注意か

パターン1:旗竿地・路地状敷地で、竿部分が他人地や私道

  • 公道から細長い通路を通って奥の敷地に入る「旗竿地」
  • その細長い部分が
    • 私道
    • 隣地の一部
      になっているケースです。

【よくある問題】

  • 通行・掘削の承諾書がない
  • 私道所有者が複数人いて、全員の同意を取れていない
  • 過去に私道負担を曖昧なまま売買してきた

この場合、

  • 車両が入っている「事実」はあっても、
    法的な「権利」がどこまであるのかが問題になります。

パターン2:私道にのみ接する戸建・アパート

  • 接している道路が全面「私道」
  • 持分を持っていない or ごく一部しか持っていない

という物件では、

  • 道路そのものの補修・舗装・配管工事の負担をどうするか
  • 他の私道所有者の同意がないと、掘削工事ができない

といった実務上の課題が出てきます。

パターン3:上下水道・ガスが「隣地経由」で引き込まれている

  • 図面を見ると、ライフラインが隣地の下を通っている
  • 掘削承諾書や覚書が見当たらない

というケースでは、

  • 将来、漏水・配管劣化が起きたときに手を打てるのか
  • 隣地所有者が「工事NG」と言った場合どうするのか

が重要な論点になります。


通行・掘削承諾が取れない物件の売却パターン

パターン① 問題を整理したうえで「訳あり物件」として投資家に売る

もっとも現実的なルートの一つは、

  • 通行・掘削に関する現状とリスクを正直に整理
  • 一般エンドユーザーではなく「プロ・投資家層」をターゲットに販売

する方法です。

【ポイント】

  • 現在の利用状況(通行ルート・ライフライン経路)を図面化
  • 承諾書・覚書の有無をすべて洗い出す
  • 近隣・私道所有者とのこれまでのやり取りを整理
  • 将来どんな制約・追加コストが想定されるかを説明できるようにする

これにより、

  • 「リスク込み」で利回り・再生余地を評価できる投資家
  • 買取再販・建売業者

に対して、「安定したリスク」として提示できます。

パターン② 承諾を取りに行ったうえで、一般ユーザーにも売れる状態に近づける

可能性があるなら、

  • 私道・隣地の所有者や管理者に協力を仰ぎ、
  • 通行・掘削に関する承諾書・覚書を新たに締結する

ことで、リスクを軽減する方法もあります。

【現実的なハードル】

  • 所有者が多い・相続で分散している
  • すでに関係がこじれている・連絡が取れない
  • 「承諾書を出すなら有償で」と言われ、費用負担が大きい

といったケースも多く、
必ずしも成功するとは限りません。

ただ、うまく承諾が取れた場合は、

  • ローン利用のハードルが下がる
  • 一般の購入希望者にも検討してもらえる
  • 結果として、売却価格・買い手の層ともに有利になる

可能性があります。

パターン③ 買取再生業者・リフォーム会社に「まとめて渡す」

ホームワーク株式会社のような、
訳あり不動産・再生を扱う会社や買取再販業者が

  • 現状の問題を抱えたまま物件を買い取り
  • その後、近隣調整・権利整理・再生プランの設計を引き受ける

というパターンです。

【オーナー側のメリット】

  • 複雑な交渉・隣地との調整・承諾取得を自分でやらなくて済む
  • 売却までの時間が比較的読みやすい(早期現金化しやすい)
  • 将来のトラブルリスクを、自分の代で区切ることができる

【デメリット】

  • 問題のない物件に比べれば、買取価格は低くなりやすい
  • 「最大値」ではなく「現実的な整理価格」での売却になる

「リスクを全部飲み込んで整理・再生する」手間とコストを
買取側が負う代わりに、
オーナーは“早く・スッキリ”出口を得るイメージです。


現場での実例:通行・掘削承諾に問題がある物件の整理

※プライバシー保護のため、一部内容を加工しています。

事例① 私道掘削承諾が取れない旗竿地(都内近郊)

  • 状況
    • 公道から私道を通った先にある旗竿地
    • 私道所有者が複数(相続でさらに増えている)
    • 水道・ガスは既に通っているが、掘削承諾書は見当たらない
    • 将来建替えや配管更新の際、掘削を拒否される懸念

【オーナーの悩み】

  • 「このままでは子どもに負担を残してしまう」
  • 「建替える気力も資金もないが、問題を抱えたまま売るのも不安」

【ホームワーク株式会社の対応】

  1. ライフライン図面の収集(役所・水道局など)
  2. 私道の登記情報を取得し、所有者・持分の状況を整理
  3. 過去に建築確認が通っていること・ライフラインが既に引き込まれていることなど、
    “現状の実績”をもとにリスクレベルを評価
  4. オーナーには
    • 「一般ユーザーに売るハードルは高い」
    • 「投資家・買取業者向けなら、条件次第で売却可能」
      という現実的なラインを説明
  5. 結果として、ホームワーク株式会社が「現況のまま」買取り、
    その後私道所有者との関係整理・再販プランの検討へ

【結果】

  • オーナーは、複雑な近隣調整に巻き込まれずに早期現金化
  • 問題を先送りせず、自分の代で整理できたことに安心されたケース

事例② 掘削承諾が得られず、建替えが難しい古家(地方都市)

  • 状況
    • 道路に面しているが、上下水道本管が道路反対側で、
      接続のために道路を横断して掘削が必要な位置関係
    • 過去の市街化の経緯から、道路管理者との調整が難航
    • 新築戸建用地としては扱いづらい

【対応】

  1. 建替え前提ではなく、「既存建物を活かす」方向でプランニング
  2. 建物診断のうえ、安全に使える範囲でのリフォーム案を作成
  3. 「賃貸用戸建てとしての活用」+「投資家への売却」シナリオに変更

【結果】

  • 建売用地としての評価は低いが、
    「利回り重視の戸建て賃貸」としてであれば、
    想定以上の価格で投資家に売却が成立
  • 掘削問題を「建替え前提」という発想から外すことで、
    現実的な出口を見つけたケース

通行・掘削承諾で悩むオーナーが「今すぐ確認すべき」ポイント

  • 公図・測量図・建築確認図面などで、「実際の通路」と「権利関係」のズレがないか
  • 私道・隣地の所有者・共有者は誰か(登記事項証明書で確認)
  • 過去に
    • 通行承諾書
    • 私道掘削承諾書
    • 覚書
      を交わしていないか(古い書類も要チェック)
  • ライフライン(上下水・ガス・電気)が、
    • どのルートで引き込まれているか
    • 役所・水道局の図面で確認できるか
  • これまでに、通行や掘削を巡る近隣トラブルがなかったか

この「現状把握」ができているかどうかで、
取れる選択肢・売却価格の見通しは大きく変わります。


専門家コメント(ホームワーク株式会社)

ホームワーク株式会社
(訳あり不動産・権利関係に課題のある物件の再生を多数手がけるリフォーム会社)

「通行・掘削承諾が取れていない不動産のご相談は、

  • 『こんな物件、売れないですよね?』
  • 『子どもに迷惑をかけたくないけれど、自分では整理しきれない』

という不安なお気持ちから始まることがほとんどです。

私たちが現場で一番強く感じるのは、

  • “通れない・掘れない”こと自体よりも
  • 『状況がよく分からない』『書類もどこにあるか分からない』

という“見えないこと”が、価値を大きく下げているという現実です。

大切なのは、いきなり

  • 『承諾を取らなきゃ』
  • 『建替えできるようにしなきゃ』

と考えるのではなく、

  1. まず“今どうなっているか”を図面と書類で見える化する
  2. そのうえで、“どんな制約がある物件なのか”を素直に認める
  3. それでも価値を見出してくれる買い手(投資家・買取業者など)に、
    正しく情報を開示していく

という順番を踏むことです。

ホームワーク株式会社では、

  • 測量士・司法書士・不動産会社・建築士 などと連携し、
  • 権利関係の整理と、建物・土地としての活用プランをセットで検討し、
  • 『売る・直して貸す・買取・一部譲渡』など、複数の出口を数字で比較する

ところまでお手伝いしています。

『通行・掘削の問題があるから、もう価値がない』と決めつける前に、
一度“何が問題で、どこまでは問題でないのか”を一緒に整理してみませんか。
それだけで、見えてくる選択肢は確実に増えます。」


よくある質問(FAQ)

Q1. 通行・掘削承諾がない物件は、絶対に売れませんか?
A. いいえ、「絶対に売れない」わけではありません。
ただし、

  • 一般の住宅購入希望者には非常に売りにくい
  • ローンが付きづらく、購入できる層が限られる
    ため、投資家・買取業者・専門の再生会社をターゲットにした販売が現実的になります。

Q2. 承諾書がない場合でも、『慣習的に通っている』ことを理由に主張できますか?
A. 長期間、排他的・継続的に通行してきた実績があれば、
「時効取得」や「黙示の地役権」などが問題になる場合もありますが、
裁判で争うレベルの話になりやすく、
売却実務ではそこまで前提にして評価してもらえることは多くありません。
売却の場面では、「慣習の有無+書面の有無」をセットで整理することが重要です。

Q3. まず承諾を取ってから売った方がいいですか?
A. 承諾が取れるなら、確かに売りやすく・高く売れる可能性は高まります。
ただし、

  • 所有者が多い
  • 関係がこじれている
  • 多額の承諾料を要求される
    といった事情がある場合、
    「承諾取得を前提とせずに売る」「買取再生業者に任せる」方が
    現実的なこともあります。
    コスト・時間・成功可能性を踏まえて、専門家と検討するのがおすすめです。

Q4. ローンは絶対に付きませんか?
A. 物件の状況と金融機関によります。

  • 通行権・掘削権が法的に確保されている
  • 問題点が限定的で、将来の処分可能性がある程度見込める
    場合には、条件付きでローンが付くケースもあります。
    一方、「再建築不可に近い」「明確な通行権なし」などの場合は、
    ローンは難しく、現金購入者が中心になります。

Q5. 自分で建替えずに、今のまま売ることに意味はありますか?
A. あります。

  • オーナー自身が建替えや大規模再生に踏み切るのは、
    資金・リスク・時間の面でハードルが高い
  • 一方で、再生ノウハウと資金を持つ業者・投資家にとっては、
    「安く仕入れて手間をかける」価値がある
    というケースは多いです。
    「自分で全部完璧にしてから売る」ことだけが正解ではありません。

Q6. どこまで調べれば“売る準備ができた”と言えますか?
A. 目安としては、

  • 通行ルート・ライフライン経路の図面がある
  • 私道や隣地の所有者・持分が把握できている
  • 承諾書・覚書の有無が確認できている
  • 近隣とのトラブル履歴が整理できている
    ここまで分かっていれば、
    「どのくらいのリスクがある物件か」を専門家が評価しやすくなります。

Q7. リフォーム会社に相談しても、権利関係の話まで対応してもらえますか?
A. ホームワーク株式会社では、

  • 測量士
  • 司法書士
  • 弁護士
  • 不動産会社
    などと連携しながら、
    権利関係の整理と、建物・土地としての再生プランをセットで検討します。
    権利そのものの法的判断は専門士業が行いますが、
    「その結果をどう活用・売却・再生に落とし込むか」を一緒に設計するのが私たちの役割です。

Q8. 何から話せばいいか分かりません。最初に伝えるべきことは?
A. 次の3点を教えていただければ、初回相談には十分です。

  1. 不動産のおおよその所在地(市区町村・最寄り駅など)
  2. 「どこを通って」「どこに問題がありそうか」というざっくりした状況
  3. 今いちばん不安な点(売却か/将来の相続か/近隣との関係か など)

そこから、

  • 現状の“見える化”
  • 取れる選択肢の洗い出し
  • 概算レベルの収支・価格イメージ

を、ホームワーク株式会社と一緒に整理していくことができます。

「通行・掘削承諾がないからどうにもならない」と思い込まず、
まずは“事実の整理”から一歩ずつ進めていくのがおすすめです。

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